中央区医師会医業経営講演会
第6回 広域講習会  (安藤@荒川医院 記)

●第2回中央区医師会医業経営講演会
左図は中央区医師会館での討論の様子、上図は西井先生@津へ中継された画面です。
  1. 主会場:東京都中央区医師会 医師会館
           BROBA映像会議システムで全国20箇所へ中継しました。
  2. 日時:平成15年3月4日 午後7時〜
  3. 特別講演:「医療政策と医療経営の展望」
        講師:富士通総研 経済研究所主席研究員  松山幸弘 氏  (参考:研究レポート
          (参考:Blackout-MLでの松山氏の御意見(叩き台)はこちらです。)
  4. 討論:
    • 松山氏の興味深いお話に、主会場のみならず中継会場からも質問が相次ぎ、午後9時に松山氏が控え室に戻られた後も参加者同志の討論が続きました。
  5. 主催者:東京都中央区医師会
  6. 参加資格:医師会会員
  7. 主会場への参加申し込み:中央区医師会事務局(chu4@pastel.ocn.ne.jp)
  8. BROBA映像会議経由での参加方法:
    1. 安藤@荒川医院(kk_andoh@mvc.biglobe.ne.jp)へ下記4項目を通知。
      1. お名前
      2. 所属医師会
      3. E-mailアドレス
      4. BROBAメール・アドレス(必須)
    2. BROBA映像会議の実際の運用については、連絡用MLである「iryo-tool ML」にE-mailアドレスを登録させて頂き、こちらで対応。
(商業的使用目的等での無断転載不可)
富士通総研の松山です

久しぶりに投稿させて頂きます。
最近の医師の方々のご意見を拝読して次のような印象を持ちました。
是非反論をお寄せ下さい。
  1. HMOの欠点や映画ジョンQを取り上げてアメリカの医療制度批判を行っているだけでは、日本の医療問題の解決策を提示したことにならないし、日本の医療の現状が正しいという主張の理由にならない。日本の医療改革のキャンペーンに使うのであれば、例えば、岩手県一関で起きた「頼ちゃん事件」を映画化して小児医療財源確保に取り組むべきであろう。
  2. そもそも国民全員が不満を持っていないような100%完璧な医療制度などあり得ないのではないか。重要なことは、相互扶助の理念の下で国民のコンセンサスが得られ、かつ経済的に継続可能な仕組みを提示することである。その際、医療保険制度の問題と医療提供体制の問題を区別して議論する必要がある。また、医療保険制度のインフラである経済全体の状況も無視できない。昨年、複数の委員会で「アメリカには全米レベルの病院経営比較情報データベースや医師のパフォーマンス評価データベースがあり、問題解決の議論のツールになっている」と説明したところ、地方都市の医師会長、自民党参議院議員(医師)、日医総研所属の大学教授から「アメリカは民間保険に丸投げした制度であり、無保険者が4千万人以上いる。そんな国から学ぶことなどない」と同じように言われたが、因果関係が支離滅裂。そもそも、国民医療介護費全体に占める公費の割合はアメリカ45%、日本34%であり、かつ65歳以上の米国民の大半は公的保険であるメディケア、メディケイドの対象者である。従って、「アメリカの医療は民間保険への丸投げ」というのは事実誤認。
  3. アメリカが現役世代の医療保険制度として皆保険を導入できない最大の理由は、年間約90万人の移民が流入しつづけているからである。人口2億8千万人のうち3100万人が移民1世であり、彼らの大部分は低所得者である。これだけ多くの移民が入国した瞬間に既存の国民の負担で医療保障することなど経済的、政治的に成り立つはずがない。移民を受けれることすらしていない日本にアメリカが皆保険を実現できないことを批判する資格はない。
  4. 国民のセーフティネットとして医療は年金以上に重要であり、可能であれば最先端医療も含めて皆保険制度でカバーすることが求められることは当然である。従って、医療に(アメリカのように)もっと公費を投入することを検討しなければならない。しかし、公費の配分は政治闘争であり何時実現するか分からない。従って、医療界はまず医療の枠組みの中で弱者救済財源を確保する努力をすべきである。
  5. 日本に非営利医療機関は存在しない。アメリカの非営利医療事業体の要件は「効率経営で生み出した利益を地域社会に還元する。ガバナンスは地域住民。」である。これに対して日本は「自分で非営利と主張した医療者が非営利である」が実態である。日本の民間病院は設置者が収益配分の実質的権限をもっている。自治体病院や国立病院では職員である公務員が民間病院より高い給与<医師を除く>をベースに経済的利益を享受している。<さらに50歳を超えれば退職金は看護師3500万円、事務長4500万円>
  6. 現行制度の枠組みの下で病院経営に株式会社参入を認めることは、弊害の方が大きく反対である。そもそも規制改革会議で株式会社参入を主張している輩の動機が不純。しかし、国民から見れば、株式会社病院も現在の非営利医療法人も大差ないかもしれない。従って、医療界としては国民が「株式会社病院より明らかに優れている」と評価する新しい非営利医療システムを提案した上で、株式会社参入に反対すべきと思われる。
  7. 政治・経済のパワーバランスから判断すると混合診療解禁は時間の問題のように思われる。従って、混合診療に対して高率の消費税を課すことで弱者救済財源を確保するといった対案も検討しておく必要があるのではないか。