新型インフルエンザ・・・2m以内に近付く前に

問診による高熱の鑑別診断  ⇒ こちらこちらも。
  1. 問診のチェックポイント:
    1. 1)年齢・職業・性別、2)熱型・病状経過、3)随伴自覚症状、4)既往歴・現病歴・旅行歴、5)服薬歴、6)他覚所見:心拍数・呼吸数、発疹・出血斑・刺し口、など
        
  2. 高熱の原因となる主な疾患:
    感染症 ウィルス、リケッチア、細菌、真菌、原虫など (帰国後発熱⇒マラリア 、デング熱、腸チフス(バラ疹) など) 
    膠原病等 SLE、結節性多発動脈炎(肺病変無し)、側頭動脈炎(頭痛)、過敏性血管炎(紫斑)、成人Still病(関節痛)など
    悪性腫瘍 Hodgkinリンパ腫、非Hodgkinリンパ腫、急性白血病、癌・肉腫など
    薬剤 アレルギー反応、過敏反応、悪性症候群(向精神薬)など
    その他 詐病、熱中症、亜急性甲状腺炎(甲状腺痛)、無顆粒球症、TTP(出血)、サルコイドーシス、中枢性(急激な意識障害、除脳硬直など)など
      
  3. 熱型:
    稽留熱 38℃以上&日内変動1℃以内 腸チフス(除脈)、肺炎、粟粒結核、脳炎・髄膜炎など
    弛張熱 37℃以上&日内変動1℃以上 敗血症、腎盂腎炎、感染性心内膜炎、化膿性疾患、腫瘍熱、血管炎、膠原病など
    間欠熱 日内変動1℃以上 熱帯熱マラリア、胆道感染症、成人Still病(スパイク熱)など
    波状熱 有熱期と平熱期(無熱期)が不規則に繰り返される Hodgkin病(Pel-Ebstein fever)、ブルセラ症(犬接触)など
    周期熱 規則的な周期をもって発熱が繰り返される 三日熱・四日熱マラリア、フェルティ症候群(長期RA)、家族性地中海熱(遺伝性)など
    二峰性発熱 解熱後,再度発熱 小児のウイルス性疾患など

ウェブ検索による鑑別診断:IDSC疾患別情報) ⇒ どんな病気がハヤッテルンダロ
  • インフルエンザ流行期にインフルエンザ以外の致死的な疾患を見逃さないための手引き
    1. 飲み込めないほど強い咽頭痛、stridorを聴取したら、急性喉頭蓋炎扁桃周囲膿瘍、鼻閉・顔面痛が強ければ急性副鼻腔炎、を疑う。
    2. 上気道症状を欠く熱発では、急性腎盂腎炎・急性前立腺炎・急性胆嚢炎・肝膿瘍・感染性心内膜炎等による敗血症、ツツガムシ病、海外旅行帰りの方はマラリアデング熱腸チフス等に注意。
  • これからの流行はインフルエンザだけじゃない
    1. 感染症の流行曲線をみると、インフルエンザとRSウイルスが重なり合う可能性が出てきた。新型インフルエンザに目を奪われがちだが、インフルエンザ様の症状で来院する患者、特に乳幼児の中には、RSウイルスの感染者が紛れていることもありうる。
  • 子供の発熱・急病
    1. 新型インフルエンザ麻疹(0.6〜2歳)、突発性発疹(0.3〜1歳)、溶連菌感染症(5〜15歳)、川崎病(4歳まで)、小児髄膜炎(Hib;乳幼児;)、
    2. 中耳炎:高熱が出ることが多いが、乳幼児では耳の痛みを訴えない事が多いので、耳たぶを引っ張るとか、耳たぶの後ろ側の頭を軽く叩いてみて、大泣きする場合は中耳炎の可能性が高いので耳鼻科を受診すること。
  • 冬季の有熱性気道感染症
    1. 小児(特に乳幼児)ではライノウイルスRSウイルス(迅速診断キットあり)、ヒトメタニューモウイルスパラインフルエンザウイルス等がある(図1)。インフルエンザ流行時に、咳嗽と鼻汁とともに、39〜40℃以上の高熱が5〜6日続く乳幼児で、インフルエンザウイルス陰性で、RSウイルスやヒトメタニューモウイルス(遺伝子診断)が検出されることをしばしば経験する。これらの小児に対して、迅速診断キットを使用しないで、インフルエンザの診断や除外診断は決してできない。
    2. 小・中学生の冬季の咳嗽のない有熱性気道感染症は殆どがインフルエンザ。
      1. 他にアデノウイルス、化膿連鎖球菌(溶連菌感染症)、単純ヘルペスウイルス1型(図1)で全て通年性。前2者は迅速診断キットが市販されており、また、成人でも日常的にみられる。
      2. アデノウイルスによる気道感染症は、乳幼児を中心に高熱のみで発症し、39〜40.5℃の高熱が5〜6日続き、分利的に解熱する。病型としては、滲出性扁桃炎が最も多いが、初期には口腔所見の異常がみられないこともある。このような場合、発熱のみで発症するインフルエンザもあるので、治療薬のあるインフルエンザ迅速診断試験を優先せざるを得ない。インフルエンザが陰性で、高熱が遷延すれば、アデノウイルス迅速診断キットを使えば十分である。溶連菌感染症を病初期に診た場合にも同じことが言える。
  • 小児の呼吸器感染症
    1. かぜ症候群に代表される上気道感染症ではライノウイルスやコロナウイルスが主、RSウイルスアデノウイルスパラインフルエンザウイルスなども関与する場合がある。咽頭炎・扁桃炎ではアデノウイルスが主。クループはパラインフルエンザウイルスが主に関与するが、RSウイルスが関与する場合もあり。
    2. 気管支炎・細気管支炎・肺炎などの下気道感染症の場合は、RSウイルス(乳幼児;10〜3月)、ヒトメタニューモウイルス(1〜6歳;3〜5月)、インフルエンザウイルス(12〜3月)、アデノウイルスが重要。
    3. 小児の肺炎の原因菌としては上気道に常在する肺炎球菌、インフルエンザ菌である場合が多。
  • 鑑別疾患に言及しているサイト::
    1. その1:呼吸器症状を伴う急性熱性疾患が鑑別疾患の対象となる。溶レン菌性咽頭炎、細菌性肺炎、肺結核、胸膜炎、咽頭ジフテリア、肺炎(SARSも含む)などがある。また感染性胃腸炎がインフルエンザと臨床診断された報告も少なくない。
    2. その2:マイコプラズマ感染症、クラミジア感染症(オウム病)、リケッチア感染症(Q熱)、RSウイルス感染症、あるいは鳥インフルエンザウイルス感染症などすべての呼吸器感染症が対象となる。同時期にロタウイルスやノロウイルスによる胃腸炎が流行するが、消化器症状のあるインフルエンザと診断されてしまうことがある。
    3. その3:ヒトのブタインフルエンザ感染は、インフルエンザ、トリインフルエンザ、上気道炎、肺炎、SARS、伝染性単核球症、サイトメガロウイルス感染、レジオネラ菌症、クラミジア、マイコプラズマ肺炎に注意。
    4. その4:特に溶連菌感染症、敗血症、腸チフス粟粒結核、ウイルス肝炎、レプトスピラ症などの他、中枢神経系感染症、発疹性疾患などの初期も考慮しなければならない。
  • インフルエンザと金属(ヒューム)熱
    1. (溶接や溶断で)ヒューム吸入後4〜12時間して,金属味,喉の刺激,咳,脱力感,筋肉痛,関節痛,全身倦怠感が現れる.続いて,悪感戦慄とともに体温が上昇する.白血球増多がある.体温が下がる時に著しい発汗があり,けいれんをみることもある.24〜48時間で,症状は完全になくなる。亜鉛で多く、他に鉛,カドミウム。全体の経過は,インフルエンザに似ていて,暴露から発症まで潜伏期があるので間違われることがある。
    2. 類似のものに鍋・フライパン空焚きによるポリフューム熱
  • オランダでQ熱が流行:
  • その他:感冒関連疾患かぜとよく似た病気たち