*** H5N1関連情報2008 ***
●H5N1関連:
  1. 目次:1)リンク集、2)H5N1、2)現場で、3)備蓄、4)プレパンデミック・ワクチン 5)国際比較
リンク集

H5N1とは
  • 事前準備と緊急対応(岡田晴恵氏⇒こちらも)
    1. H5N1型が騒がれ初めて10年間で、3億3千万羽の鳥を殺処分(=既に鳥の中ではパンデミック)。かつ宿主域が鳥類からネコ、ネズミ、イヌ、ウサギ、ブタ、トラ等に拡大し、全身感染により高致死率でこれらの哺乳類を殺している。
    2. 通常のインフルエンザ・ウィルスが呼吸器上皮に限局であるのに対し、H5N1型ウィルスはウィルス血症から多臓器不全を起こす。特に腸管の損傷が激しく、、咳、喉、頭痛などの前に、腹痛、下痢という場合がある。
      • ヒトA/H5N1感染症の臨床症状:
        • 重症疾患:通常のインフルエンザの概念を超える。
          • 全身感染の可能性:サイトカインストーム
          • 致死率50%以上(37〜88%)
        • 全身症状:発熱(38度以上)、出血傾向、多臓器不全
        • 呼吸器症状:下気道〜肺の感染
        • 消化器症状:腸管感染、下痢(70%以上;血性あり)
        • 他症状:脳炎、心筋炎、出血傾向、胎盤・胎児感染
        • 不顕性感染例は殆ど無し。
      • H5N1ウィルス感染患者の特徴:
        • 小児・若年者に患者、重症例、死亡例が多い
        • 潜伏期:2〜8日(平均4日)
        • 感染様式:飛沫感染が主な感染経路、他、経口感染
          • ウィルス排泄期間は潜伏期から発症後2週間と長い
          • 空気感染の証拠は無い(可能性はある) 
    3. 今、すべきは、国が全国民分のプレパンデミック・ワクチンを作り(その予算は全国民分を作っても1,700億)、まずH5の基礎免疫をつけること。その段階でH5は新型では無くなり、重症化阻止が可能。⇒こちらこちらも。(^-^)ゞ
             
  • 日本大混乱必至! 迫り来る新型インフルエンザ H5N1 の正体とは(岡田晴恵氏)
    1. 現在、最も注意すべき重要な点は、世界中の鳥で既にパンデミックとなっているH5N1型鳥インフルエンザウイルスは、強毒型ウイルスだということ(スペインかぜですら、弱毒型の新型インフルエンザだった)。
    2. 08/4時点で人へのH5N1型鳥ウイルスの感染者数は、公式見解では約350人で、236人が死亡(致死率約64%)。
    3. 世界のどこかで新型インフルエンザウイルスが発生すれば、日本には数日で航空機を介してやってきて、1週間で感染爆発が地域で起り、1ヶ月以内で大流行となり、過去の例から考えても2ヶ月間近く流行する。⇒こちらも。(^-^)ゞ
    4. 現在のH5N1型ウイルスでの致死率は若い人のほうが高い(10代で72%)。
      これはサイトカインストームと呼ばれる生体防御の過剰反応が原因。米国などでは、ワクチン政策の推進とともに、若い世代にワクチンや治療の優先順位を上げるという議論が、国民を巻き込んで、実際には国民アンケートまで行なって、話し合われてる。
      右図:高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)に感染した人の年代別症例数(WHOに報告された感染確定症例数。トルコの12例を除く315例。2003年12月1日〜2007年8月31日)
    5. プレパンデミックワクチンはH5N1の新型インフルエンザに対して、発症阻止はできなくとも、マウスやフェレットでの動物実験では全身感染を防ぐ効果が確認されている。全身感染を起こさなければ、致死率は大幅に下がる。
    6. タミフルはワクチンと違って、広くインフルエンザウイルスに一定の効果が見込めるが、耐性ウイルス出現の可能性がある。吸入式のリレンザは上気道の表皮に留まるので、弱毒型のインフルエンザであれば効果が見込めるが、血中に入るH5N1型ウイルスだと難しい。

現場で・・・医療施設等における感染対策ガイドラインクリニックでの対応熱発者の問診判断基準例
  • パンデミック対策のベストチョイス (有効なパンデミック対策「感染中断免疫」:外岡立人氏 )
    1. Aborted-Infection Immunity (感染中断免疫):
      1. 感染後早期に抗インフルエンザ薬を服用させ、軽症で治癒させると共に免疫をつける。 市民が発熱数時間以内にタミフル等の抗インフルエンザ薬を服用することで達成。
      2. 服用開始時間は、発熱を呈してから12〜24時間以内。遅くとも36時間以内。
      3. 保健所が配布、または薬局販売(OTC)。*薬事法改正が必要
    2. プレパンデミック・ワクチン投与:
          
  • 「発熱外来」もナンセンス(こちらの文末参照;菅谷憲夫氏)
    1. 欧米では「発熱外来」の計画は無い。インフルエンザに罹った患者からは、発熱の前からインフルエンザウイルスが排出されている。発熱外来で振り分けてみた処で、既に家族や会社や学校など周囲への感染は到る所で起こってしまっている。「発熱外来」はSARSならば意味があるが、インフルエンザでは寧ろ有害。そもそも患者数が多すぎて、物理的にも無理なことは、臨床家なら常識で分かる。
    2. こちらも(押谷仁教授@東北大学大学院医学系研究科)
      • (2002年から翌年にかけてアジア各国で死者を出した)SARSの時のように、新型インフルエンザも封じ込めできると誤解している人が、今も医療関係者の中にもいる。
      • 急いで近隣の病院に行くのではない。体が弱っている人が集まる病院に何の対策もなく感染者が訪れたら、感染はあっという間に広がる。保健所などに設置される予定の『発熱相談センター』にまず電話して、指示に従い感染を防ぐ対策が整った医療機関を受診することが重要。
          
  • 新型インフルエンザ対策岡部信彦氏)
    1. 致死率50〜60%の感染症が長く広く大流行する例は殆ど無く、今の鳥インフルエンザの高致死率の侭、ヒトで大流行となることは到底考えられない。
    2. 通常のインフルエンザに使うウィルス迅速診断キットは、A型インフルエンザウィルスとしてH5N1も検出する(日本の養鶏場でもスクリーニングに使用)。但し、ヒトでH5N1に感染した場合、このウィルスは一気に気管支・肺へ行き、鼻や喉では増えない為(=感染し難い、かも知れない)、感度が15〜20%へ悪くなると予想される。
         
  • 金融危機ではないもう一つの危機(岡部信彦氏)
    1. スペイン型インフルエンザがパンデミックとなった時、対策の取り方で、米国のフィラデルフィアとピッツバーグ、セントルイスの致死率には大きな差が出た。
      1. 最も致死率が高かったフィラデルフィアでは、インフルエンザ発生後、特に強い対策は取られなかった。
      2. それに対して半分の致死率に収まったピッツバーグの場合、劇場やサロンの閉鎖、スポーツ大会の延期、教会の閉鎖など1カ月にわたって段階的に対策を取った。
      3. そして最も致死率が低かったセントルイスでは、最初の死者が出た後、わずか数日で劇場や映画館、学校、プール、ビリヤードホール、ダンスホールなど人が集まる場所を一気に閉鎖してしまった。この閉鎖を解除したのは1カ月半後だった。
      即ち、医療だけではなく、市民の理解と協力次第で市民自身が助かる
         
  • 新型を意識した季節性インフルエンザの診療を(08/4)
    1. 新型インフルエンザ流行時には、重症例に対する治療として抗サイトカイン療法の必要性も指摘されており、同効果を持つクラリスロマイシンの治療効果も要検討(こちらも)。
    2. 解熱薬で注意したいのは、15歳未満のインフルエンザ患者では、アスピリンなどのサリチル酸系解熱鎮痛薬、ジクロフェナクナトリウムやメフェナム酸などの解熱薬は投与しないこ。小児のインフルエンザに伴う発熱に対しては、より危険性の少ないアセトアミノフェンが適切。
        
  • 新型インフル流行時に医療現場を維持できるか(08/9)
    1. 職場の感染予防策=個人と組織の行動変容が重要
      1. 1)感染者に接しない、2)咳エチケットを徹底する(ポスター例)、3)流行地域にいかない、4)できるだけ顔を触らない、5)アルコール度数60パーセント以上の速乾性手指消毒剤で入念に手を洗う癖をつける。
          
  • 今から出来そうなこと・・・下記3.4についてはこちらも。事業継続計画(BCP)、
    1. 2週間〜2ヶ月分の食料品や日用品を備蓄。流行時には自宅篭城が一番有効
    2. やむを得ず外出する場合のマスク、ゴーグルも用意。但し、隙間からのウイルス侵入、衣服に付着して感染等の可能性もあり。
    3. 通常のインフルエンザワクチンでも、受けておいた方がよい。新型に感染した場合も、死亡率が半分になる(こちらも参照)。
    4. 肺炎球菌ワクチンを受けておくと、新型インフルエンザに感染しても重症の肺炎にならずに済む(根拠はこちら)。
    5. 解熱剤はアスピリン系ではなく、アセトアミノフェンを用意。
    6. ネット販売のタミフルの殆どが偽物。タミフル耐性の問題あり。
      
  • 不織布マスクの備蓄を25枚/人(08/9) ⇒ 厚労省専門家会議(資料議事録
    1. インフルエンザウイルス自体は極めて小さいが、通常は液体と一緒に飛散する為、その液体の大きさ(5マイクロメートル)を補足できる不織布マスクで対応可能(ガーゼマスクは不可)。
    2. 現時点で「効用あり」とされる医療用のN95マスクや防塵用のD2区分マスクは日常生活ではオーバースペック。
    3. 不織布マスクは「いざ」という時に品不足が予想されるため、事前の備蓄を推奨。1人あたり20〜25枚を目安。使い捨てであることに注意。
         
  • カプセルも宇宙服も不要 新型インフル対策で消防庁通知
    1. 不要とされたのは、搬送訓練の時によく見られる患者隔離カプセル(アイソレーター)、「宇宙服」及び足の靴カバーの「重装備3点セット」。専門家からも「科学的根拠はなく、ちょっと大げさ」との見方が出ていた。
        
  • インフルエンザシフト
    1. 複数の執筆者が待合室について、別室が無ければ、咳エチケットを実践し、他の患者から1m以上離れて座る、としている。
         
  • 発熱外来でのトリアージ=1分間の呼吸数を測定
    • 1〜5歳では40回以上、6歳以上では30回以上であり、SpO2が低い場合は発熱の程度に関わらず即、入院とする。
       
  • 自宅待機者がインターネットを一斉に使い始めても大丈夫か
    • 答えはノー。現在のインターネットは複数のユーザーで帯域を共有するのを前提としている為、学校に行けない学生や子供もインターネットを使い始め、逼迫することが予想される。
        
  • 新型インフルエンザ対策」と地域医師の問題意識をみる=東京・品川区医師会(1)(2)(3)(4)(5)

備蓄について
  1. 抗インフルエンザウイルス薬に関するガイドライン(専門家会議;07/9)
    1. 流通調整:
      1. 国内発生前
        1. 返品を行わないよう、医療機関及び卸売業者に対して指導
        2. 医療機関や住民に対して不要入手しないよう、情報提供
      2. 国内発生後
        1. 都道府県は、医療機関ごとの届け出患者数と使用状況に関する情報収集を強化
        2. 流通薬について、指定する医療機関や発熱外来に集中するよう卸売業者に指導
        3. 都道府県は、医療機関の悪質な買い占めを公表
        4. 備蓄薬は、卸売業者を通じて都道府県が指定する医療機関に配送。使用は都道府県分を優先し、不足しがちな都道府県に対し国の備蓄分を使用
    2. 新型インフルエンザが発生した都道府県が講ずべき措置:
      1. 新型インフルエンザが発生した都道府県においては、当該都道府県が指定する感染症指定医療機関等及び発熱外来を行う医療機関(以下「指定医療機関」という。)においてのみ、患者に対する医療提供を行うこととしている。
      2. このため、都道府県は、流通用タミフルについて、当該指定医療機関に集約することとし、指定外の医療機関に対し、流通用タミフルの発注を見合わせるよう要請するとともに、卸売販売業者に対し、指定医療機関の受注のみに対応するよう指導する
           
  2. 備蓄タミフル、5年で無駄? 新型インフルに使途限定(06/3)
    1. 備蓄用は新型発生時だけに使い、普通のインフルエンザ治療には使わない「使用制限」が付いている。治療用は1錠当たり約363円、備蓄用は6割以下の約211円。
        
  3. 意外とタミフル備蓄量の少ない日本(08/3)
    1. 2007年4月現在で,日本は19.5%で世界の25位.スイス,ルクセンブルク,オーストラリア,フランスなどでは,40〜55%。
        
  4. 東京都、タミフルなど独自備蓄 300万人分(08/8)
    1. 29日の会見で石原慎太郎知事は「国に代わって、備蓄を積極的に行う」と表明。厚生労働省によると、自治体独自の備蓄は初めて
        
  5. タミフル備蓄
    1. pandemicになったときは集団的に予防内服が必要、本来のエビデンスのある予防投薬は1週間超〜6週間まで。
        
  6. リレンザ:予防投与が可能に(07/1)
    • タミフルでは認められていた「慢性呼吸器疾患」がリレンザでは除外されている。これは、リレンザが吸入剤であるため。
    • 用法と用量は、治療の場合と予防の場合とで異なる。1回投与量は同じ10mg(2ブリスター)であるが、投与回数は1日1回(治療では1日2回)と減り、投与期間は10日間(治療では5日間)に延長されている。1日総投与量を減らし、投与期間を延長するという投与法は、予防投与では治療時(罹患時)に比べてウイルス量が少ないことが根拠となっており、タミフルの予防投与でも同様である。
    • インフルエンザ感染症の予防の基本は、あくまでもワクチン接種であり、薬剤の予防投与は、家族や共同生活者がインフルエンザを発症している場合にのみ使用を検討し得る。
        
  7. タミフル耐性の謎(小田切孝人氏)
    1. WHOの調査によると、07年10月から08年10月までの期間中、通常インフルのタミフル耐性株の割合はノルウェーで67%、ロシアで45%にものぼり、欧州全体でも25%を記録した。08年6月から9月下旬にかけては、耐性株の割合が南アフリカで100%、オーストラリアで80%など、流行が明らかに全世界に拡大していることが判明。08年3月以前は16%だったのが、1年もたたずに39%にまで急増。
    2. 日本ではH1N1型1713株の2・6%がタミフル耐性(⇒こちらも)、鳥取県だけは32%。世界のタミフルの7割を使う日本で何故少ないのかも不明。
    3. 英科学雑誌「ネイチャー」オンライン版に08年5月に掲載された論文によると、鳥インフルに感染した患者から分離されたH5N1型ウイルスが、タミフル耐性に変異していたことが判明。タミフル耐性を示したH5N1型ウイルスの分子レベルの変異メカニズムが、通常のインフルであるH1N1型ウイルスにみられる変異と全く同じ、だが同じメカニズムの変異を起こしたのかは不明。
        
  8. 新型の抗ウイルス剤の開発について(開発番号:「T-705」;参考
    1. 「T-705」は日本を含め、世界同時開発を目指して、今後世界的な製薬企業との提携を模索して 開発スピードを最大限早めていきたいと考えている。
    2. 現在「T-705」は前臨床試験中であり、臨床試験の開始は早ければ2001年末から、遅くとも2002年春頃を目指したいと考えている。
       
  9. 他:タミフル備蓄の真の目的タミフルの国家備蓄も米ブッシュの意向!?

プレパンデミック・ワクチンについて
  1. 今の時点でのプレパンデミックワクチン接種は時期尚早菅谷憲夫氏
    1. エボラ出血熱とかSARSなどの致死率が高い病気なら感染防御の為に隔離や検疫などの強化策が出てくるが、インフルエンザは元々罹患を絶対的に避けるべき疾患では無いし、また、避けられもしない。出現したら数年以内には全国民が罹患し発病する病気。第1波で国民の25%が、第2波でさらに25%が罹患し、多くの人が新型インフルエンザに対して免疫を獲得するとパンデミックが治まり、国民の10%前後が懸かる毎年のインフルエンザ流行に落ち着いて行き、この間に死亡率も低下して行く疾患。
    2. プレパンデミックワクチンには緊急避難的な意味合いがあり備蓄には賛成。しかし、緊急避難であれば、或る程度のリスクを犯してでも接種すべきで、フェーズ4、つまり小規模な人から人の流行がおきた時に接種を開始すべきもの、フェーズ3の今は決してその時期では無い。
    3. 地域封じ込め策はSARSやエボラを想定したものであり、新型インフルエンザ対策としては不適切。
    4. 抗インフルエンザ薬の十分な備蓄と迅速なワクチン生産体制の構築こそ、真っ先に取り組むべき対策。
        
  2. 見えてきたプレパンデミックワクチンの力量と限界西村秀一氏・菅谷憲夫氏)
    1. プレパンデミックワクチンに限らず、新型インフルエンザ対策のさまざまな政策決定に際しては、米国の教訓を常に意識することが必要。
      • 「いわゆる」専門家と言われる人達の暴走、不確実性に関する脅かしを許し、また利用しようとした人達の存在。
      • そうしたことを防ぐ為の、専門外であって、且つ科学的なGood senseを持った人材集団による冷静なレビューのメカニズムの欠如。
      • 一旦、事を始めようとする際、始める前に、或いは途中で再検討するメカニズムの欠如
    2. フェーズ3の段階で事前接種する理由とは何か、
      1. 、WHOがフェーズ4(海外でヒト−ヒト流行が確認された段階)を宣言してから、実際に免疫ができあがるまでの時間。
      2. 原液の有効期間。
      3. 事前接種によって基礎免疫をつけておけば、症状の軽減が期待できるのではないかという期待感。
    3. 国産と海外のプレワクチンでは、免疫原性の差は大きく、海外のプレワクチンの方が発病防止、更には重症化防止効果が期待できる。海外のアジュバントを導入した研究を行えば、単純計算で4倍の8000万人分を作れる道筋も開ける。
        
  3. 新型インフルエンザワクチン接種の進め方について(第1次案)(パブコメ:08/9/29〜08/10/28)
    1. 世界的にまだプレパンデミックワクチンの事前接種は実施されていない。⇒こちら
    2. 平成20年度、医療従事者など(約6,400人)を対象にプレパンデミックワクチンを用いた臨床研究を実施し、ワクチンの免疫原生(有効性)や安全氏について評価する。⇒09/1の評価はこちら
    3. 新型インフルエンザ発生前においても、臨床研究の結果を踏まえ、平成21年度から医療従事者等に対して事前接種を行うこととする可能性がある(”先行接種の対象者と順位の考え方”あり)。
      
  4. 新型インフルワクチン、事前接種開始 医師ら70人に(08/8/4)
    1. 臨床研究が8月4日に始まり、今年度中に医師や検疫官ら6,400人に接種する予定。有効性や安全性を確認できれば、政府は1千万人に広げる検討をするが、世界初の大規模な試みに疑問の声も出ている。⇒こちら
         
  5. トリインフルエンザに対するDNAワクチン(08/10)
    1. バイオテロ対策として米国の国策で進められているVical社のパンデミックインフルエンザDNAワクチンはウイルスの同定から6〜8週間で製造可能、備蓄期間も2年以上安定。既に、米国で実施された第I相臨床試験の初期成績では安全性が確認されると伴に、H5N1亜型インフルエンザウイルスに対する抗体産生が認められている。
         
  6. 現在行える新型インフレルエンザ対策
    1. 季節性インフルエンザの罹患や同ワクチン接種により主要な抗原蛋白に対する免疫は保持される(=重症化阻止。実際、同ワクチンがH5N1鳥インフルエンザ予防に効果を持つことが、最近いくつかの研究結果から示されている。
    2. 保健行政が現在、新型インフルエンザ対策として強力に推進すべき対策は、1)インフルエンザ・ワクチンの接種、2)高齢者における肺炎球菌ワクチンの接種、である
      
  7. わが国におけるプレパンデミック ワクチン開発の現状と臨床研究

国際比較
  • 致死率63%の「新型インフルエンザ」で日本どうなる なぜ最悪の事態に備えない
    1. 米国(カナダ)では、
      1. 感染率20〜40%、致死率20%(強毒型)を想定。
      2. パンデミック対策費は毎年約9000億円。
      3. 全国民分のプレパンデミックワクチン(現在のH5N1ウイルスで製造する代替ワクチン。軽症化効果あり)を準備済。
      4. 全国民分のパンデミックワクチン(発生したH5N1ウイルスで製造するワクチン)を発生後6ヵ月で接種の計画。
    2. スイス(フィンランド、イギリス)では、
      1. 全国民にプレパンデミックワクチン接種を計画。
      2. 全国民分のタミフル備蓄。
      3. スイス式は、軽症化→医療負担減→十分なケア→感染者減が見込め、人口が密集している国には合理的な対策。
    3. 日本は、
      1. 感染率25%、致死率2%(弱毒型)を想定。
      2. 2000万人分のプレパンデミックワクチンを備蓄。
      3. 2500万人分のタミフルを備蓄。
        1. 強毒型の場合通常の3〜4倍の投与が必要になるので、実際は700万人分。
      4. 発生から1年後に?人分のパンデミックワクチンを生産(具体的計画なし)。 
          
  • 新型インフルエンザのリアルを語ろう(田代真人氏)
    1. 米国防総省がなにをやっているかは外からは分からない。しかし、当然のことながら相当の予算を注ぎ込んで対策を行っている筈。現在米国は毎年約9,000億円をパンデミック対策に注ぎ込んでいるが、表に出てこない国防費からの支出を考えると、これだけでは済まない。表から見えるのが全てだと思ってはいけない。
       在日米軍を含む在外派遣軍を、パンデミック時にどのようにして米本土に撤収するかという行動計画も、当然のことながら策定済みの筈。
       米国は、国民に対して、新型インフルエンザに関する知識の周知徹底や籠城の為の家庭備蓄の呼びかけを行う一方、事前に用意できるプレパンデミックワクチンの備蓄、全国民分のワクチンを半年で製造し、定めた優先順位で順次接種していく体制の整備を着実に進めている。
       勿論、医療分野のみならず、例えば学校を休校にした場合、子供にどうやって教育を届けるかというような生活面での対策も行っている。ありとあらゆる手段を使って社会機能を維持することを目指している。
       それだけではなく、パンデミックが起きてしまった後に、どのようなプランで社会や経済を回復させていくかという行動計画の策定すら行っている。「何があっても米国は生き残る」というのが彼らの意志。それに従って着々と手を打っている。
    2. プレパンデミックワクチンは重要な対策手段。国民の60〜70%に事前に接種しておくと、パンデミックが起きないという数理モデルを使った研究が発表されている。事前に全国民に接種しておくと、パンデミックによって発生する人的経済的被害を考えれば、圧倒的な低コストでパンデミックを乗り越えることができる。
       スイスは国民全員にプレパンデミックワクチンを接種するとしている。フィンランドもスイスに続いて、国民全員への接種に動いている。
    3. 米国は、初期の大量に接種しないと効かないタイプのプレパンデミックワクチンを、それでも頑張って2,800万人分備蓄した。そこへアジュパントの効果が判明し、1/10程度の少量接種でも免疫を発現させることが可能なことが明らかになった。つまり米国は、対外的には公表していないが、既に全国民分のプレパンデミックワクチンの備蓄が終わったのと同じ状況にある。

新型インフルエンザ・・・パンデミックに備えて(月刊保団連2008No.982)
  • 鳥インフルエンザから新型インフルエンザ発生への危惧と準備の必要性
    • インフルエンザ・ウィルス=A・B・C型の3種類
      1. B・C型はヒトのみに感染
      2. A型はH:1〜16、N:1〜9の144種類
        1. ヒトに感染するのはA/H1N1:ソ連型、A/H3N2:香港型の2種類のみ。(過去にはアジアかぜ(H2N2)も)
        2. 鳥類はA型に感染する代表的動物、主に腸管で増殖し、糞便中に大量のウィルスを排泄する腸管感染症。
        3. 殆どは無症状か軽症だが、H5及びH7の一部が高病原性、ことにA/H5N1の病原性は激しい=家禽ペスト(HPAI=highly pathogenic avian influenza)
          1. 他、H5N2:南北アメリカ、H7:欧州、H9N2:中近東などもある。
        4. 抗原変異(antigenic drift)
          1. 連続抗原変異または小変異:マイナーモデルチェンジ
            1. 抗原性の変化が大きくなれば、A型インフルエンザ感染を以前に受け免疫がある人でも、再び別のA型インフルエンザの感染を受けることになる。
          2. 不連続抗原変異または大変異:フルモデルチェンジ
            1. 数年から数10年単位、突然別の亜型に取って代わる(=新型インフルエンザウイルスの登場)。人々は新型に対する抗体を持たず大流行とな。
    • 高病原性鳥インフルエンザ(HPAI=highly pathogenic avian influenza)
      1. ヒトへの感染率は極めて低いが、一旦感染すると高率に重症肺炎及び全身症状を起こし死に至る(致死率60%)。
      2. 2008/6/19現在、15カ国で家禽・野鳥でH5N1の感染が確認され、243例の死亡を含む385例のヒト感染確定例(致死率63%)が報告されている。
  • 新型インフルエンザ対策
    1. 医薬品を用いた対策(Pharmaceutical Measures):ワクチン・抗ウィルス薬など
      1. T-705=RNAポリメラーゼを標的としたもの、臨床試験Phase2の段階。
    2. 公衆衛生上の対策(Non-pharmaceutical Measures):学校閉鎖・検疫など 
○その他:
  • ワクチンとタミフルの作用機序
    1. ウイルスの表面にはヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という二つのたんぱく質が存在する(ウィルスの特徴を決める遺伝子8本のうち2本が関与)。HAには人の細胞に結合する働きがある。結合した状態から感染が始まる。ウイルスの遺伝子(RNA)は細胞内で増殖。RNAは人の細胞膜を自分の膜として利用し、細胞から分離する。分離する際、はさみの役割をするのがNA。
      1. ワクチンを接種するのは、HAが細胞に結合したのを認識してウイルスを攻撃する抗体を作る為。
      2. タミフルは、NAの働きを抑え、ウイルス増殖を抑える。
    2. 世界保健機関はH5N1の患者に対し、季節性インフルエンザ患者の2倍の量を投与し、全国民の25%以上の量を備蓄するよう、各国に勧めている。
        
  • 感染直後の微量のインフルエンザウイルスを5分で検出(08/11/4)
    1. 長浜バイオ大学バイオサイエンス学部の長谷川慎氏らのグループが空港検疫,バイオテロ対策向け高感度病原体検出法を開発。病原体に蛍光試薬を結合させ、レーザー光を当てることにより、病原体の有無を検出するもので、この技術によって、例えばウイルス感染直後の微量ウイルスをわずか5分で検出できる。検出感度は免疫クロマト法に比べて100倍高く,微量のウイルス検体でも見逃すことなく診断可能。
        
  • 鳥インフルH5N1が免疫系を無力化する仕組みを解明(08/11/6)
    1. H5N1は、感染時に抗原の一部を隠す為、ヒトの免疫系が病原体の侵入を感知できず、免疫反応が起きない(11/6:Nature)H5N1の致死性の高さを説明するとともに、治療薬の開発につながる発見。

一般病院及び診療所等の対応医療体制に関するガイドライン:08/11/20)
  • 新型インフルエンザへの感染を疑う者は、発熱相談センターに連絡・相談した上で発熱外来を受診することが期待されるが、当該者が、直接、発熱外来を設置していない受診医療機関(一般病院又は診療所)を受診してしまうことも想定される。また、受診医療機関の一般来院者から、新型インフルエンザに感染している可能性がある者が確認される可能性も否定できないことであり、そうした場合の対応を以下に示すこととする。
    1. 受診医療機関は、新型インフルエンザへの感染を疑う者又は一般来院者について、新型インフルエンザに感染している可能性があると判断した場合、直ちに保健所へ連絡し、受け入れに適当な感染症指定医療機関等につき、指示を受けるものとする
    2. 受診医療機関は、新型インフルエンザに感染している可能性があると判断した者に対し、マスク等を着用の上、保健所から指示のあった感染症指定医療機関等を受診するよう指導する。受診するよう指導した感染症指定医療機関等への搬送に関しては、医療機関若しくは保健所の搬送車又は消防機関等の救急車両により搬送するものとし、状況に応じて、自家用車を利用することとする。公共交通機関の使用は避けなくてはならない
    3. 受診医療機関は、新型インフルエンザに感染している可能性があると判断した者に関する情報を搬送者に伝え、搬送者は十分な感染防止策をとった上で搬送を実施する。
    4. 受診医療機関は、新型インフルエンザに感染している可能性があると判断した者が自家用車にて移動する場合、当該者の携帯電話等の連絡先を、受診するよう指導した感染症指定医療機関等に伝えるものとする。また、受診するよう指導した感染症指定医療機関等の電話番号を本人又はその家族等に伝え、受診前に必ず連絡して受診する時刻及び入口等について問い合わせるよう指導する。
    5. 受診医療機関は、後に法第15条に規定する積極的疫学調査の実施が想定されることから、当該調査を迅速に実施させるため、待合室等で新型インフルエンザに感染した可能性があると判断した者と接触したと思われる一般来院者及び医療従事者について連絡先等の情報を整理した連絡名簿を作成しておく
    6. 受診医療機関は、都道府県等からの法第15条の規定に基づく積極的疫学調査があった場合は、連絡名簿を保健所に提出する。
    7. 受診医療機関は、新型インフルエンザへの感染を疑う者について、新型インフルエンザに感染している可能性がないと判断した場合、当該者に対して、適切な情報を与え、必要に応じて医療を提供するものとする。


  • 事前接種者の入院8人 大流行前ワクチン臨床研究 [09/1:共同通信]

    •  新型インフルエンザ対策として国が備蓄しているプレパンデミック(大流行前)ワクチンの安全性を検証するため、医療機関職員などへの事前接種の臨床研究を進めている厚生労働省研究班は19日、接種した5,561人のうち8人が一時入院したと発表した。
       このうち2人は接種の数時間後に発熱し、ぜんそくの発作や手足のしびれを訴えて入院。残る6人は腸炎や、脳の静脈が詰まる静脈洞血栓症、心室細動などを起こした。
       研究班は「発熱はワクチン接種と因果関係があるが、ほかは持病や薬の服用などが背景にあり、ワクチンとの大きな関連はない」としている。ただし、接種を受けた人に入院が多いかどうかは分からないとして、今後、研究対象となった施設で接種しなかった人たちの入院の頻度と比較する。
       研究では、昨年8月から11月までに、感染症指定医療機関や検疫所の職員ら5,561人に原則として2回接種。1回目の接種後、120人(2.2%)が35.7度以上の発熱をし、3,676人(66.1%)に接種部位の痛みや腫れなど局所反応があった。1,543人(27.7%)に頭痛や倦怠(けんたい)感など全身反応が出た。
       2回目接種後の発熱や局所反応は1回目より少なかった。症状はいずれも若年層で多く、局所反応と全身反応は男性より女性で多かった。
       通常のインフルエンザワクチンで局所反応が出る割合は10%以下。研究班の庵原俊昭(いはら・としあき)・国立病院機構三重病院長は「すべての人に免疫がないので(今回のワクチンで)高率になるのは仕方がない。ワクチンが効いているためとも考えられる」と話している。                                 

新型インフルエンザと対応(危機管理について) 第1弾 2009.5.6
        社会保険労務士 本間邦弘
        (都立看護学校「関係法規」担当講師)
  • 最新情報の5月号は、世界を恐怖に落とし入れている「新型インフルエンザ」に関する問題の第1回目です。私は6年前から、都立の都内看護専門学校で関係法規(病院法や看護師等の法律や労基法など約50法令)を担当しており、感染症に関する法律も講義を行っております。今後も、クライアントの皆様や相談者の皆様などに何かお役に立つ情報を提供できればと思います。
  1. 感染症に関する法律
    1.  新型インフルエンザは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(以下「同法」)に定められている感染症であり隔離等の対応などを規定しています。
       同法では、健康診断の強制実施を規定しており、その結果感染の蔓延を防ぐ必要がある場合には、その場で72時間を限度に入院を勧告し、勧告にしたがわなければ強制入院させるとして実質的に強制隔離されます。また更なる蔓延防止に必要がある場合には、更に10日間を限度(更に延長も可能)に強制的に入院させることになります。
       同法では就業制限も規定され、感染の恐れがなくなるまで就業しない通知を行い、就業を禁止できるとされています。
       マスコミ等でこの問題が連日報じられている理由は、今回の問題が世界の最大の関心事であることも当然ですが、同法で「厚生労働大臣は、新型インフルエンザが発生したと認めた時はすみやかに、その旨、地域、状況、動向、原因、・・・をテレビ、マスコミ、インターネットなどで公表しなければならない」という規定の存在があるからです。
      
  2. 基本的な感染症流行の流れなど
    1.  感染症の流行は、@発生期→A流行期→B大流行期→C小康期とされています。
       梅雨などの湿気の多い時期や夏などの高温の時期には、沈静化する傾向ですが、乾燥期や風邪が流行しやすい秋や冬には大流行の可能性が高くなるといい、過去に数千万人の死者が出た、スペイン風邪は初めは弱毒で拡大も緩やかで第1波は小康しましたが、秋の第2波は強い毒性を持ちこれにより大量に死者が出たという例もあります。
       日本においては、流行しても軽度であると予測されていますが油断せず、まずは免疫低下や風邪を引かないように注意し、手洗い、うがい、マスクが必要です。
      
  3. 今回の対応について
    1.  サーズ問題等で学習した結果から、WHO(世界保険機関)は、パンダミック(爆発的大流行)を食い止めるべく、早めにフェーズ4からフェーズ5へ引き上げました。これは現在の世界的な大不況からすると、楽観的な情報を流し少しでも経済への悪影響を阻止したいといところですが、比較的早い引き上げは、危機管理の観点からは良いことであると考えます。近々、フェーズ6へ引き上げが予測されておりますが、不要な不安の拡大で業務活動が沈滞ことなど、混乱だけは避けまずは冷静な対応が不可欠です。
      
  4. 会社や事業所の対応は危機管理の重要事項(BCP策定など)
    1. BCP(事業継続計画)の策定
      1.  各会社や事業所では、危機管理室や対策本部などを立ち上げ、万が一の際に事業の継続が可能な計画などを立案するなど準備を始めています。サーズや風疹の蔓延、ノロウイルスの発生などから学んだ予防策が考えられていますが、全体としてはまだまだ浸透していないのも現実で対応に意識を向ける必要があります。
         小例ですが、ある会社では、ノロウイルスの感染防止の観点からタオルの使用を取りやめ、風圧乾燥に切り替えました。もしも飲食店で対応していないようであれば、それは危機意識が不足しており、早急な対応が必要です。
    2. 国内感染者発生の場合など
      1.  やはり重要な事は、国内感染者の発生などにより、さまざまな制限が実施された場合の自社や事業所の対応です。
        対策の一部に、@会社近くに宿泊場所を借りて通勤を不要とする、A役所への提出は郵送や宅急便を使う、B相談はメールを中心とする、などさまざまな対応が考えられます。しかし、業種や勤務環境などにより対策は異なりますので、具体的には各社各様の対応になるかと思います。
         対策については、今後ともマスコミ報道や関係機関などから正しい情報を選択し、現場や経営陣が知恵を出し合い決定していくことになると考えます。
    3. 自社等で感染者が出た場合
      1.  前述の通り、もしも従業員に感染の可能性が発生した場合には、最大72時間、更に10日間などの隔離入院の可能性があります。そして経過観察により次のステップが決定されます。また、他の従業員などで接触した者が感染している可能性がある場合には、周りの方も同様に隔離される場合があります。
    4. 大流行による業務への影響など
      1.  感染防止から外出を極力避けるようになる影響から、まず痛手をこうむるのは、「外食産業」であるといわれています。反面、食事などの最低限の確保をするためにコンビニや宅配サービスのニーズが増える可能性があるようです。
    5. 対応については、保健所など地域医療機関への確認も重要
      1.  同法では、医師が感染の疑いのある患者を診察した場合には保健所を通じて都道府県へ通報する義務があります。保健所は地域医療の中心機関ともいえますので、法定伝染病の対象疾病や対応、法定伝染病以外の疾病への対応などについて問い合わせすることも考えられます。公的な専門機関との連携も重要と考えます。
        ※事業や従業員を守ることへの意識の高さが求められています。
      
  5. 労働法関係の取り扱いなど
    1. 労働安全衛生法や労働契約法について
      1.  労働安全衛生法では、法定伝染病などに罹患した場合には、労働者等の「就業を禁止」することを事業主に義務づけています。
         また、同法や昨年3月に施行された労働契約法では、「安全配慮義務」として、労働者が安全かつ健康で働けるよう事業主に義務づけています。感染症に限らず、病気の罹患した可能性がある場合に、安全配慮義務に基づいて従業員などに健康診断などの受診を命じられるように、就業規則や内部通達などで「従業員の健康状態に支障があると判断した場合の健康診断の受診命令」等を明記することも重要です。
    2. 労働基準法などについて
      1.  就業禁止や隔離などにより欠勤・休職する従業員の賃金の支払いについては、会社の都合でもないため原則として休業手当の支払い対象となりませんが、半面、従業員の責任でもないため、欠勤控除の対象にするかどうか悩むところです。
         基本的には、自社等の就業規則に規定される「病気による欠勤や休職の場合に賃金をどう支払うか」で判断することとなります。もしも、病気の際の対応に規定がない場合には、原則として労働者に不利にならないような観点も考えるなど、新しい判断をすることになります。新しい規定の策定や、従業員代表や労組などとの協議も必要になるケースも出てくると思います。
       
  6. 雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)計画の申請について
    1.  前回お送りさせていただきましたとおり、中小企業緊急雇用安定助成金(大企業も対象)は、主な受給要件として@最近3ヵ月の売り上げ高または生産量等が直前の3ヵ月に比べて5%以上減少していること、A最近3ヵ月の売り上げ高または生産量等が前年同期に比べて5%以上減少していることなどがあります。
       今後、感染症などで休業を余儀なくされたり、売り上げが落ちるなどした場合には該当する可能性があります。また、計画の申請を行った場合には、原則として一年間が有効になりますので、計画の申請を検討することも考えられます。
       しかしこれは、当事務所で雇用調整を推奨しているものではなく、あくまでも情報の一つです。また、助成金は予算を使い果たすと基本的には終了し、その他の適用条件などさまざまな点から検討したうえで判断することが重要です。