ドイツのCOVID19対策
 
ベルリンシャリテ ウィルス学教授、クリスティアン・ドロステン 
 
39)https://note.com/terraauri/n/n286fd93d5748
・まず、PCRで検査をし、2つのグループに分けます。1つ目のグループは、検査で陽性反応が出ていて感染も確認されたが、感染力はないグループ、もう一つのグループは、かなり高濃度ウィルスが喉にあるグループ。 2つ目のグループを簡易テストで検査した場合、4分3に陽性反応がでています。1つ目のグループの結果は、最悪です。全く使い物になりません。 ここで、(この簡易テストが)どのような立ち位置にあるかがわかるでしょう。 もし、これから近い将来改善がされないようであれば、このテスト方法は、早期の診断用、という事になると思います。これはこれで、とても大切で役にも立ちます。診療所や、救急で、速攻で判断しなければいけない時、この患者は感染力があるのか、ないのか。
・1週間目は、PCRしか頼るものはありません。2週間目になってやっと抗体が出来始めてきます。2週間目に出来始めて、3週間目には確かになります。先程のシチュエーションは、プライベートな家族内での話でしたが、もう一つ別のシチュエーションがあります。病院です。患者が、自宅で既にかなりの症状が出た後で病院にやってきた場合、悪化して息をするのが困難になって来院するのですけれど、そのような場合には大体2週間目の半ばくらいです。 もう、病院では、この時期に咽頭でのPCR検査をして陰性反応がでても、陽性ではない、という証拠にはならない事は皆わかっています。 新型コロナ感染していない、という診断結果にはならない、ということですね。 この時期のPCR検査で断定できないことは、もう既に医療関係者の間では常識になっています。では、どうすればいいのか。 頻繁には、CTをとり、典型的な肺の炎症状態から判断する、という方法がとられています。その地域で既に感染者が出ている場合は特にその方法で、Covid19感染症だと診断します。PCRで陽性反応が出ていなくても、です。その後で、肺分泌物を検査すると、PCRでも陽性反応が出ます。 

40)https://note.com/terraauri/n/n26fa24787131
・ここからだけではなく、私が分析した評価的に、エアロゾル感染のしめる割合はどの位なのか、、、全て足して、、感覚的に評価すると、、、感染半分が、エアロゾル感染、あと半分が飛沫感染。後の10%が、接触感染。付着した表面を触る、という接触ですね。このくらいの割合になるでしょう。 この割合から、日常での防止策をたてていくべきです。
・エアロゾルは、別です。エアロゾル粒子も、水分含む粒子ですが、5マイクロメートルよりも小さな粒子です。粒子は小さくなればなるほど、空中漂う事が可能になり、水よりも軽くなります。このような粒子は、すぐには床に落ちずに、空中漂っています。粒子には水分が含まれていますから、それが蒸発するともっと小さな粒子になって、なかには1マイクロメートル以下になりますが、このような粒子のことを、感染学的にはエアロゾルと呼び、空気中に存在します。この粒子のなかには、感染性のあるウィルスが含まれる可能性があり、その感染力は数時間も持続する事もあるのです。
・そのような評価をきちんとすれば、解決案はみつかるでしょう。 レストランをずっと閉めておけ、と言っているのではないのです。テラスなど外に座れるレストランは、かなり安全でしょうし、そのような場所を活用して欲しいのです。外では、2mの距離確保も必要ないかもしれません。放出されるエアロゾルも、外ではすぐにどこかに吹き飛ばされてしまいますから。 外では、この距離制限も緩和しても良い、とも思います。  室内については、、、窓を全開にする。夏などは特に。そうすれば、室内にいてもいいでしょう。しかし、室内では、また距離をおかなければいけません。

41)https://note.com/terraauri/n/nac798e62d35a
・パンデミック研究にはある観念があって、The hammer and the dance というものですが、 まずは、ハンマーで叩く。 何処の感染を断ち切ることが出来るのかわからないので、とりあえず全て中断させる。 誰も、出さないようにする。接触制限、これが、ハンマーです。これは、もう終わりました。ここから来るのが、虎とのダンスです。エピデミックのなかで、ずっと閉じ込めておく事は、ダメージが大き過ぎますので、コントロールしながら様子をみていく。 つまり、ダンス段階に入っています。ハンマー、つまりロックダウンをしないで、虎の綱を緩めていく。 虎が襲いかからない程度に調整をしながら、緩める、というのが、基本的な案です。

42)https://note.com/terraauri/n/nccce6709e549
・その中で一番重要なのは、人生で一番初めインフルエンザ感染を、スペイン風邪と、1957年まで続いた後継ウィルスでした人達の存在です。 計算してみましょう。2009年から1957を引くと、、、52歳ですね。この時に、52歳以上だった人達は、人生の始めてのインフルエンザを H1N1型で経験していますから、 H1N1型に対する免疫記憶があったのです。これは、Original antigenic sin 、抗原原罪と言われるものです。免疫学的、疫学的な観察で、簡単に言うと、人生で一番初めに感染したインフルエンザの型に対しての一番良い免疫がつくられる、という原理です。

43)https://note.com/terraauri/n/nf02b60f6455d
・2月だったでしょうか、初めに、手洗いや消毒を推奨するのは間違いではない、と言いました。これは正しかったと、今でも思います。飛沫感染防止の為に、1、5m距離を保っていますが、これは、飛沫が1、5mのうちに床に落ちるからです。しかし、あれから、沢山の新しい論文が発表されてきました。このポッドキャストでも取り上げてきていますが、2?3新しい論文でも、室内の危険性は屋外を大幅に上回るという結論に達しているのです。これは、全てエアロゾル感染の危険性です。エアロゾルがどのように出来るのか、という事を計測した研究もあります。一つではありません。いくつもありますが、そのなかでも未だに一番素晴らしいと思うのが、香港の論文で、人が放出する、感染物質、感染性があるウィルスの50%は、飛沫ではなくエアロゾルだ、としています。これと平行して、手洗いや消毒による接触感染の防止についての新しい論文はほとんどありません。しかし、これは、病院には当てはまらない事は明確ですね。院内環境については、学術的なデータもありますし、床の表面にゆっくりと(ウィルスが)落ちて溜まる、という事も検証されていますから、院内での消毒液の使用が不可欠なのは言うまでもありません。病室内という、感染者が継続して治療されている場所での計測です。
これは、4月16日に発表されたもので、大変興味深い内容です。ここでは、110の集団感染が調査されています。誰が誰に感染させたか。室内か屋外か。110のうち、27件が第一次症例で、その他はその感染者から感染しています。ここで、感染の状況調査がされていますが、ここでのリスク分析では、屋外に比べて18、7倍のリスクが、室内にはある、と。これは、かなりの差です。19倍のリスクです。ここからもはっきり言えるでしょう、外に移していかなければいけない、という事が。

44)https://note.com/terraauri/n/na520588b5cc4
・そうです。感染者数もゆっくりですが減少してきています。 これは、他のロックダウンを実行した国に比べると劇的な減少ではありませんが、ゆっくりと、少しずつ、少しずつ、減ってきています。どうして、そして、どのようにこの対策に踏み切ったのか。 これが今になって少しずつわかってきました。このようなことは他の国では不可能だった、と考えられます。これを実行する為には、データに精通していない人物が一人で、独自の経験と意見をだけを持って、今回もSARSと同じであろう、という決断をしなければいけません。それを彼はしました。結果、良い方向に行ったかもしれませんが、もしかしたら全く逆の結果が出ていたかもしれない。データの裏付けは全くありませんでしたから。私が推測するには、彼は、初期に観察した日本の状況から方針を決めてそれを信じたのでしょう。とても勇気のある決断だったと思いますが、うまくいったようです。

45)https://note.com/terraauri/n/nb8d5f3cb141c
・発生数が低い状況でのR値の小さな上昇は、基本発生数が多い状態でR値が高いこととは違って、そこまで神経質になることはない現象です。その反対に、基本発生数が高い状態ではR値は絶対に上がってはいけません。今の状況では、R値よりも、発生数の変化が重要です。


参考:

 ・日独のコロナ検査体制はなぜ大きく異なったのか?()(
 ・コロナ対策、日本が「手本クラスター対策の重要性
 ・ドイツで知名度をあげたウイルス学者への激しい反発


●なぜ日本はまあまあ防疫できているのか
https://note.com/kyslog/n/nbcb70b8853d7
・制圧に成功しつつあるアジア諸国では、「強力な接触者追跡」「接触者の無条件隔離」「準鎖国(入国禁止)」「入国後の無条件2週間隔離」「集会規制」「飲食の距離開け」「夜の街封鎖」といった政策が共通して取られている。
・欧米で新型ウイルスが大流行した理由については、私が最も可能性が高いと考えているのは単に発見が遅れたせいで、全て手遅れのまま検査能力も接触者追跡能力もはるかに超えた状況の流行に直面しロックダウンに至ったというストーリーである。
・欧米での急速な流行について、一時期はウイルスの変異やBCG接種によるものという仮説も盛んに流されていたが、どちらも可能性は低いと考える。
・日本とアジアの他国の違いはその到達点にたどり着くためのルート選択にある。アジア圏では接触者どころか接触者の接触者まで監視・罰則付きで隔離する法律があり、入国禁止などの措置も積極的に行っており、人権侵害の生じうる厳しめの手段も先手を打って発動している。比して日本は、法体系・政府・専門家のいずれも積極的な行動制限策に否定的で、エビデンスを固めてそれをもとに自粛をお願いするスタイルであり、全体的に一歩遅い印象がある。ただ、遅れは全体的に「一歩」で済んでおり、欧米のような手遅れには至っていない。