Sweden

面積:450,295㎢
人口:991万人
人口密度:22.0人/㎢

https://ig.ft.com/coronavirus-chart/
Japan

面積:377,975㎢
人口:1億2,616万人
人口密度:334.5人/㎢

  1. 病床少なくても医療崩壊回避 スウェーデンの現状は?(2020.12.27)
    • 新型コロナウイルスの感染者が急増しているスウェーデンでは、12月下旬時点で人口当たりの感染者数が日本の20~30倍近くに上る。だが人口当たりの病床数は日本の4分の1にもかかわらず医療崩壊は起きていない。大病院がコロナ患者を集中的に受け入れ、他の病院が通常診療を引き受けるなど、柔軟に対応しているからだ。
    • 第1波では午後2時から省庁代表が記者会見し、情報を隠さずに出した。政府の実施したアンケートでは『省庁の対策を信頼するか』という問いに、半数以上が『とても信頼している』『かなり信頼している』と答えている。公衆衛生庁のトップとして感染対策を率いる免疫学者、テグネル氏に対する信頼は第1波後、全期間を通じて6割以上の信頼を得ている。強いリーダーシップと情報の透明性がスウェーデンの強みといえる。
  2. またノーガード戦法?スウェーデン医師に聞く最新状況  (20.12.4)
    • スウェーデン公衆衛生庁はロックダウンはやらないと言い続けています。その理由は、『有効であるというエビデンスがない』『長く続けられない』『憲法の縛りで実行できない』という3本柱です。
    • 最近、大衆紙が政治家と専門家グループの間にあつれきが出ていると書き立てていますが、私にはそうは見えません。もともと法律で、公衆衛生庁は政治の影響を受けないと明記されています。ここにきて政治家の発言が増えているのはより国民に強くメッセージを伝えたいからであり、伝えたいメッセージは公衆衛生庁と同じだと思います。
  3. マスク勧めない」スウェーデンはコロナ感染急増……「死者数10分の1」フィンランド、ノルウェーとの違いは? (20.12.3)
    • 人口約1000万人のスウェーデンは人口の一定程度が抗体を得て感染を防ぐ「集団免疫」の獲得を目指しているのではと言われてきた。だが、テグネル氏は「ワクチンなしの集団免疫の達成は不可能」と否定している。
    • 一方で対策を再評価されているのが同じ北欧のフィンランドとノルウェーだ。両国はスウェーデンと地理的・社会的特徴が似ているが、100万人あたりの死者数は約10分の1に留まる。「両国の共通点は、初動が早かったこと。3月にロックダウンや国境管理を厳格化し、移動する人々にPCR検査や自主隔離を強制した」
  4. コロナ対策、独自路線のスウェーデンもついに転換 「ジムや図書館に行かないで」 (20.11.18)
    • 欧州各国が相次いで導入する厳格な都市封鎖(ロックダウン)は避けたが、厳しい行動規制を課さない独自路線から規制強化へ舵を切った形だ。
    • 厳格な都市封鎖については「私たちは信じていない」と導入しない考えを強調した。
    • スウェーデンは、商店や飲食店の営業を認め続け、マスク着用の義務化も避けるなど緩やかな規制でコロナ対策に取り組む。
  5. スウェーデンが「集団免疫」を獲得 現地医師が明かす成功の裏側 (20.10.18)
    • レストランでも間隔を空けて座るという対策が、来年夏まで延長され、立食形式も禁じられたまま。症状があれば自宅待機、という対策も続いています。しかし、マスクはほとんどの人が着けていません。マスクを優先してソーシャルディスタンスをとらなくなれば、そのほうが問題だ、という考えによるものです。
    • 日本と大きく違ったのは、学校を休校させたかどうか、です。スウェーデンでは子どもが教育を受ける権利が重視され、家庭環境に恵まれない子どもが登校できなくなることで起きる弊害が考慮されました。一斉休校になれば、医療従事者の1割が勤務できなくなるという試算もあり、高校や大学は遠隔授業になっても、保育園や小中学校は閉鎖されませんでした。
    • 死者数を見ず、陽性者数ばかり気にする国もあり、ノルウェーなども陽性者数が増えてかなり騒いでいて、そういう状況は日本にも見られます。死者数にフォーカスするスウェーデンとはだいぶ違います。
  6. 第二波来ないスウェーデン、コロナ対策責任者に聞いた「外出制限やマスク着用を否定する理由」 (20/9/26)
    • 彼の指揮のもと、スウェーデンは国家主導のロックダウン(都市封鎖)をおこなわず、学校もレストランも国境も開放したままにしておく方針をとった。マスクの着用も義務づけられてはおらず、世界はテグネルを「非常に偏向した人物」と見なした。一方、スウェーデン国民の大半は、科学を感情の犠牲にしたような施策を各国が断行するなか、我が国の疫学官の対策はきわめて理に叶っていると、テグネルを高く評価している。
  7. スウェーデンの感染者数を上回ったノルウェーとデンマーク (20.9/14)
    • 現状をふまえて、ノルウェー首相は「これ以上の規制緩和を進めることはできない」と、感染者の増加が続けばまた規制を強化すると10日の記者会見で話した。デンマークではアルコールを伴う飲食店業界のナイトライフをより規制するべきかなどの議論が起きている。
  8. マスク着用に「ノー」を貫く、スウェーデンの新型コロナ対策 (20.9/11)
    • スウェーデンの公衆衛生当局は、マスクは社会全体に使用を奨励するほどウイルスの感染抑制効果がなく、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)と手洗いを順守することの方が重要だと主張している。
    • 医師と研究者23人から成るグループは6月、日刊紙アフトンブラデット(Aftonbladet)に掲載された論説で、テグネル氏と公衆衛生当局に対してマスク非着用の方針を再考するよう求めた。それ以降、同グループやそれ以外からもたびたびこうした要請が発せられている。テグネル氏はそのたびに、公衆衛生当局はこの問題を「注視」しており、必要となれば導入すると答えている。
  9. スウェーデン“収束”の理由は…現地医師に聞く(20.8.27)
    • スウェーデンでは、徹底した情報の透明性が、ずっと存在している。また、トップのブレないリーダーシップが常にあります。新型コロナウイルスは、これまでに経験のないパンデミックを引き起こしましたが、ウイルスに関しても、まだわかっていないことが多い。つまり、政策についても何が正解かわからない状態です。そういったときに、一つのことを決めてブレずに、中央がリーダーシップを発揮することは、国民にとって大事なことだと思います。それを行う前提として、持っている情報をすべて開示する。スウェーデンでは、パンデミックのときは、毎日、午後2時に公衆衛生庁をはじめ、関係省庁の代表者が記者会見を行い、データを示し、時間無制限で記者の質問を受けていました。そういうことがあって、国民は中央を信頼できていると思います。
  10. 誤解されたスウェーデン「コロナ対策」の真実 (20.8.16)
    • スウェーデンの独自政策に対しては、スウェーデン国内でも批判はある。しかしながら、現時点でも比較的多くの国民の支持の下で、政策は継続できている。なぜなのだろうか。理由として、第1に、専門家の考えを尊重する憲法上の仕組みがあること、第2に、国民の政府に対する信頼があること、そして第3に、自主性を尊重する国民性が底流にあることが指摘できる。(⇒日本ではこちら
  11. 「集団免疫作戦に失敗した」は本当? 現地医師が総括する“スウェーデンのコロナ対応” (20.8.4⇒20.9.4
    • スウェーデンのコロナ対策は、「政治的リーダーシップによる危機対応」としてではなく、「専門機関による通常時対応」として取り組まれています。スウェーデンでも、戦争など国家存亡に関わる非常事態には非常時対応となるわけですが、現在のコロナ禍は、そこまでの危機ではない。ですから、「是が非でも被害を最小限に抑える」というよりも、「コロナ以外の健康効果をも含めたコストとベネフィットのバランスを考慮しながら、エビデンスを吟味して、効果があると思われる対策を慎重に実行する」ことになります。
  12. With コロナ(スウェーデン) (20.8.3)
    • そして、1日当たりの死者数も一番酷かった4月より減ってゆき、ここ数週間はゼロから数名程度になってきました。
    • こんなに厳重な割には、マスクへの評価は低く着用の義務はありません。薬局で普通に売っているので気になる方は付けいますが、1日に数人見かける程度でしょうか。もともとスウェーデンのマナーとして、少しでも風邪やインフルエンザの症状があれば、学校も職場も行くべきでないし、来ないでくださいという習慣ですので、コロナ禍になってもそれは守られています。
  13. 独自のコロナ対応貫くスウェーデン(20.7.26)
    • スウェーデンのヘーグベリ駐日大使は「今のところこれが最良のアプローチだと私たちの政府は信じています。スウェーデンは国境の閉鎖、社会の封鎖が正しいやり方だとは考えていません。ロベーン首相もこの戦略を続けると言っています」と明言した。
  14. スウェーデンの独自コロナ対策が、感染拡大でも「失敗」とは言えない理由(20.7.24)
    • 人口当たりの感染者数や死亡者数の多さから判断すれば、スウェーデンの新型コロナ対策がうまくいっているとは必ずしも評価できない。とはいえ、ロックダウンという手段を回避したことで、スウェーデンの社会的な安定は今のところ保たれている。またそうした社会的な安定に、飲食や小売といった生活に身近な非製造業の活動が貢献しているわけだ。
  15. コロナ独自路線のスウェーデン方式、死者多数もいよいよ「効果」が見えてきた(20.6.29)
    • すでに各国が経験していることだが、(日本の自粛も含めた)ロックダウンで難しいのは経済活動とのバランスのとり方と、出口戦略だ。解除のタイミングがわからないのである。仮に感染者数が減ったときに解除すれば、また感染者数が増える。だからまた封鎖して……を繰り返すことになり、その間に経済活動が受けるダメージは計り知れない。感染者数の増加だけを理由に自粛やロックダウンを言い続けるのは、経済的に余裕がある人たちなのかもしれない。
  16. スウェーデンの新型コロナ対策は失敗だったのか(20.6.16)
    • スウェーデンのCOVID-19感染対策の顔となっている国家主席疫学者、テグネル氏は、これまでずっとロックダウン政策を否定してきた。そして、スウェーデンの死者数が多いことに関しては、「守るべき高齢者を守ることができなかった」とコメントしてきた。6月3日のテグネル氏へのインタビューでは、「もう少しやれることがあったと思う」とコメントしたことが、「スウェーデンは政策に失敗した(ロックダウンしないことは間違いであった)と認めた」と世界中で誤報道されてしまった。その誤報道に対してテグネル氏は、「スウェーデンの政策は間違っていたとは言っていない。改善の余地があるという意味である」と説明しなければならなくなった。
    • また、スウェーデン以外のEU諸国の第一四半期のGDPがマイナス成長しているのに対し、スウェーデンの第一四半期のGDPはプラス成長しており(図12:Reuters Graphicsより)、経済に対する影響が比較的軽微であることを付け加えておく。
  17. 日本は第二波をスウェーデン式で乗り越えられるか…ひとつの考え方(20.6.8)
    • 集団免疫獲得が目的ではないが、集団免疫獲得にもっとも近いやり方だと言われ、4月27日にはストックホルムで25%の人が抗体を獲得したと、感染対策のリーダーが発表している。第二波がきても、抗体をもった人は感染しても軽症ですむ。
    • スウェーデンで死者が増えたのは、高齢者施設でクラスターが発生したことが主な原因だ。スウェーデンの人々も他の北欧3国に比べて死者が多いのは認識していたが、政府を信じて政策に従っていたという。スウェーデンの疫学者アンデシュ・テグネル氏は「改善の余地がある」と述べたが、このように正確に現状をとらえ、包み隠すことなく発表する態度が、国民から信頼を得るのだろう。PCR検査が少なかったこと、院内感染が多かったことなど日本にも反省すべき点は多い。日本モデルが本当に功を奏したのか、しっかり分析して、第二波に備えてほしいものだ。
  18. スウェーデン、自国のコロナ対策「改善の余地ある」と認める(20.6.4)
    • スウェーデン政府の主任疫学者アンデルス・テグネル氏は3日、新型コロナウイルスを巡って国はもっと良い対応ができたと認めた。同時に都市封鎖(ロックダウン)を行わず、国民の自主的な社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)確保や衛生対応に頼るという独自路線は全般的に評価できるとした。
    • ロベーン首相は地元紙に対し、全般的なコロナ対策は適切だったが、福祉施設での感染防止にはつながらず「あまりにも多くのお年寄りが亡くなってしまった」と認めた。
  19. スウェーデン集団免疫戦略の背景にある実利主義と死生観(20.5.21)
    • コロナ危機に際しても、実は「1~2%くらいの死者数は仕方がない」と割り切っている人が少なくない。多くの死者を出しながらも、「被害を最小に抑えるための現実的な対策」を国民の8割以上が支持し、急激な医療崩壊が起きないのも、それが大きな理由のひとつだと考えられる。ロックダウンせず、犠牲を覚悟で、緩やかな集団免疫の構築を狙うスウェーデン。もちろん反対意見はある。しかし、この「独自の道」は、政府が専門家の科学的知見に従い、国民は政府を信頼して方針を支持するという2つの要素があって、初めて可能になった。
  20. ストックホルム日本人会 (20.5.20)
    • 厚生大臣は、5/20 に老人ホーム施設にコロナ感染症の高齢者の入居者が酸素吸入が可能になるよう酸素吸入機を設置するべきであると話しましたが、対応はregionごとに任せている事で多数の老人ホーム施設ですぐに導入が可能になるかは未定です。隣国ノルウェーでは、老人介護施設には、コロナ患者用の酸素吸入器は備えられているようです。
    • 5/16:フィンランドは、内相が新型コロナ下のスウェーデンを嵐を起こす雲(心配の種)と例えました。また、北欧の他の国々はそろって、スウェーデンをリスクの根源と呼び、足並みを揃えるのが難しそうです。
  21. スウェーデンのコロナ対策手法 日本でも利用可能か? ウイルスとその影響、どちらが深刻? (20.5.20)
    • スウェーデンの不幸な経験を繰り返さないためにも、日本には依然として、老人介護施設や病院での新型コロナウイルス拡散防止策をどうするのかを考える必要がある。また、外出自粛下での高齢者のメンタル面の悪化を予防することも重要だ。ましてや、日本には65歳以上の人が3,500万人もいるのだ。医療介護現場でのクラスター感染も依然として定期的に日本のメディアで報じられている。介護施設の一部は一時閉鎖されたものの、職員は高齢者の訪問介護を行っており、感染のリスクは拭いきれない。それに、厚生労働省の指示により、サービスを受ける側がウイルスに感染している可能性があっても、職員は訪問看護を行わなければならない。このほか、医療機関の職員は今、さまざまな困難に直面している。それは差別の問題でもあり、休校で自宅にいる子どもの面倒をみるために休職せざるを得ない職員が多いことによる人材不足でもある。
    • PCR検査の必要があるのは重症患者のみと考えられているスウェーデンの経験を見ると、大規模検査はそれほど重要ではなく、本当に検査を必要としている人を特定する精度の方がずっと重要なのかもしれない。
  22. 日本と大違い 毎日午後2時に行われる各種記者会見の充実度 (20.5.20)
    • スウェーデンの広報体制と情報提供にも感心させられる。その公正さと徹底ぶりは、日本と大きな差がある。特に記者会見とテレビ放送で、それが顕著である。
    • 着けている安心感がソーシャルディスタンスの妨げになるとしてマスク使用には否定的。
  23. ゆるいコロナ対策が話題のスウェーデン、税財政にみる「政府と国民」との信頼関係 (20.5.20)
    • 国の給付する手厚い社会保険給付や合理的な税制に対する国民の反応は好意的です。国の政策への関心も高く、投票率は85%前後を推移しています。国民の主体的な政治参加は政策実施を容易にしており、今回の新型コロナウイルス感染症への対策方針についても、国民は政府への信頼を口々にしています。
    • 先ほど年金受給者住宅手当や高齢者生計費補助について紹介しましたが、これは半数以上が単身世帯であるという非常にユニークな背景が寄与しています。補助が手厚いから一人暮らしが可能であるのか、または逆の矢印なのかは定かではありません。しかしこの事実は、一連の新型コロナウイルス感染症対策において“ソーシャル・ディスタンシング”を自然と可能にしたと言われています。
    • スウェーデンの独自政策が成功するかは未だ不明です。国内では批判の声が上がっているという情報もあります。しかし、確実に分かることは、マスコミや世論が政策批判に走り、本来の目的を見失うという状況には陥っていないことです。
  24. 新型コロナ、持久戦への覚悟 国民理性に委ねるスウェーデンの挑戦 (20.5.20)
    • スウェーデンにおいては、政府が社会をコントロールすることを禁じることが、17世紀に遡る統治機構の伝統である。言うなれば、政府が社会に埋め込まれているのである。このため、科学的根拠や専門的能力を必要とする政策決定は、独立行政機関が科学的根拠と専門的能力に基づいて実施するというルールが確立している。新型コロナウイルス感染症対策もそうした独立行政庁である公衆衛生庁が所管している。
  25. 新型コロナでわが道を貫くスウェーデン「集団免疫」の毀誉褒貶 (20.5.20)
    • スウェーデンは全国的な封鎖措置をとっておらず、学校や企業活動もいつも通り続き、外出制限や移動規制も行われていない。もし本格的な第2波が到来するなど新型コロナと長期間の戦いを強いられたら、世界中の国で封鎖を行わずに社会生活を存続させることも考えなければならないが、そのときはソーシャルディスタンスを異なる形で規定しなければならない。
    • つまり、現在のわれわれの生活様式を、新型コロナに対応させて変える必要がある。スウェーデンではそれを実際に行っている、とWHOで緊急事態への対応を統括するマイク・ライアン氏は指摘する。
  26. マスク着用義務化を敢えて導入しないスウェーデンの考え方(訓覇スウェーデンセミナー; 20.5.18)
    • 安倍首相が真っ先に行ったのがマスクの全世帯配布であったように、日本ではマスク着用はその意義や効果をあらためて議論することなく、当然の日常的行為として容認されている。マスクの歴史は古く、1910年満州での肺ペストの感染防止のためにマレーシア系の一中国人医師が導入したのが最初である。その後、スペイン風邪の感染防止に欧米諸国で使用され、日本では1923年の関東大震災時に灰や煙吸入を防ぐために、さらに1934年のインフルエンザ流行時では感染防止のために使用された。その後、毎年冬になれば風邪の感染防止や他者への礼儀としてマスク着用が習慣化及び儀式化され、脅威に対抗する国民連帯を意味する文化的象徴として捉えられてきた。一昔前までは、マスク着用は日本では日常であっても外国では非日常であった。未だに忘れようがない光景がある。30年ほど前、ブダペストの屋内市場に全員が白いマスクを着用した日本人観光客が15名ほど出没した。そこに居合わせた人たちが驚愕したのは言うまでもない。地元の人にとっては、大量の悪性病原菌が侵入してきたとしか思いようのない異様な出来事であった。
    • 今回の地球全体に及ぶ感染が現実になるまでは、マスク着用はアジアの一部の国の固有現象であったが、ドイツ、フランス、イタリアのように感染対策の緩和と同時にマスク着用を義務付ける国が出てきた。効果はともかく、しないよりはした方がよい、他者への感染を一定予防できるなどがこれらの国の導入に共通するところである。フランスでは、公共交通機関利用時に着用しなければ、125ユーロの罰金が科せられる。義務化を左右する理由は、エアロゾル感染(飛沫感染及び飛沫核感染)の可能性をどのように捉えるかとともに、人口密度/㎢などの国の環境的要因などにある。主要国がマスク着用を義務化し始めた頃、毎日開かれる国民保健庁(公衆衛生庁)の記者会見で数名のジャーナリストがスウェーデンの方針を問いただした。国民保健庁は、現在マスクの着用効果に関する調査結果を査読・検討中であると説明し、その結果を数日後に発表すると答えた。その結果とは、スウェーデンは着用を推薦しないことであった。その理由は、マスク着用効果が十分に科学的に実証されていないこと(ハムスターの実験では感染リスクの低減が見られたといわれるが)、着用によってこれで大丈夫という「偽の安心感」が発生し、厳密な手洗いや距離の保持、軽い症状でも自宅待機などの基本的予防行為が軽視され、感染拡大を招くリスクが高くなると判断し、懸念したためであった。実際、着用処理がもっとも重要で、マスクを外した後の手には多くのウイルスが付着していることが指摘されてきた。偽の安心感で国民を安心させるよりも、国民一人一人の良識と規律ある行動による感染拡大防止を要請するというのがこの国の選択であった。科学的な知見に基づいて説明され、ここまで国民の良識が信頼されれば、国民は納得する。そういう国と国民である。
  27. スウェーデンは大丈夫なの?現地在住日本人が解説 (吉澤智哉氏;You Tube 2020.5.17)
    • スウェーデンでもロックダウンという言葉は使っていないが自粛ムード。
      • 法律で禁止されていることは4つ・・・1)50名以上の集会禁止 、2)飲食店での混雑禁止;店側に課されている、3)スウェーデンへの入国禁止、但し、国籍・居住許可者は考慮 、4)高齢者施設への訪問禁止。
      • 推奨事項11項目・・・1)少しでも体調悪い場合は家に居る、コロナ以前から常識、2)手を良く洗う、顔を触らない、3)70歳以上とリスクグループを訪問しない、4)在宅勤務をする、5)ソーシャルコンタクトを避ける(70歳以上とリスクグループ対象)、6)海外への渡航は止める(6/15から7/15までに延長)、7)国内の移動も止める(但し、車で1~2時間の距離ならOK)、8)トレーニングを控えるから奨めるに変更、9)ソーシャルコンタクトを保つ(社会生活で)、10)冠婚葬祭等のイベントは自粛、11)公共交通機関使用を避け、時差通勤をする。
    • 公共放送、5月17日時点で死者数は3,679名 ・・・スウェーデンは死者が多いと書かれるが、国民は落ち着いていて、国が何をやっているかをよく理解している。 他国と死者の数え方が違う 。死亡に寄与した順に病名を死亡診断書に記入する。病名はコード化されていいてオンラインで管理。コロナが主原因でなくてもカウントしており、取りこぼしが無い。因みに日本は手書きと聞いている。 国同士の死者数比較は意味が無い、という認識。 死者の数は右肩下がりになりピークは越えた。医療崩壊を避けることはできている。死者の内訳や原因がはっきりしていて課題も明確。高齢者施設などでクラスターが発生したが、職員が低賃金で休めなかった為と判明し、首相も記者会見を開いて対応した。 ロックダウンしていても変わらなかったと理解。国家疫学者Anders Tegnell氏の発言。ロックダウンの有無で働き方に変化が無い職種が10以上ある。
    • 政府の情報公開が国民の信用に繋がり、国民の過半数が政府を信用している。 スウェーデンは長い間戦争に巻き込まれていない。ヒトを信用しようという国民性をよく感じる。強制ではなく要請が成り立つ。少なからず反対派が居るのも事実だが、過半数は政府を信用。
  28. スウェーデンの独自コロナ対策、キーワードは「信頼関係」か(20.5.16)
    • たとえば娘の小学校の校則を読んでみると、服装に関するルールのところでは、厳しく禁止されているのは「差別的なメッセージや民主主義に反するメッセージが書かれた服は着てきてはいけません」ということだけ。化粧や髪の色や靴下の長さで他人を不愉快にすることはありませんが、差別的なメッセージは人を傷つけます。このような絶対に守らなければいけない決まり事以外は、皆が気持ちよく過ごせるよう自分の頭で考えて行動することを小学校のころから自然に学ぶようになっているのです。
  29. 死者数激増の原因は高齢者対策の失敗と行政サービスの後退 (20.5.16)
    • 確かにスウェーデンは極端に死者数が多い。「これには2つの大きな理由があり、それは高齢者と外国人である」というのが、対策を担当する公衆衛生庁の分析だ。今回の「ベルガ事件」は、それを象徴しているのではないかと、医療関係者がこう言う。
  30. コロナ禍でスウェーデン政府への「大批判」が「信頼 」に変わっていった4つの理由  (20.5.14)
    1) 記者会見:  
        一番安心を感じたのは、情報の透明性・・・国民は毎日、政治家ではなく、各分野の専門家や担当者の口から直接現状報告を聞くことができ、なぜこういう規制を設けているという点についても非常にクリアに説明してもらえています。この様子はYouTubeでライブ配信され、その後いつでも観ることができます。    
      2) 科学的根拠に終始する: 
        とりわけ顔色を変えないことで有名なのが、国家主席疫学者のアンデシュ・テグネル氏です。どんな質問にも科学的根拠を示して堂々と答える姿に、「この人がこの国でいちばんコロナに詳しいんだ。この人の言葉を信じて大丈夫だ」と思わされます。先述のとおり一時は批判も激しかったのですが、どれだけ批判されても、持論を曲げることはありません。その姿には多くの大人が感銘を受け、フェイスブック上でファンクラブができたり、顔のイラストを刺青に入れる人まで出てきました。
      3) 失敗は認め、すぐに対処する:
        それが発覚したとき、政府は大きな批判を浴びましたが、すぐに問題対処に動きました。移民の間で感染が広がったのは、多国語での情報発信が足りなかったのではと批判され、すぐにそこを強化、さらには各宗教団体とタッグを組んで取りこぼしのないように動いたのも印象的でした。 
      4) ファクトチェックの精神: 
        スウェーデン人は「自分で考えて良識のある行動を取ってください」と言われたら、その意味がすっと解る、それは学校教育がそういう方針だからと書きました。政府のコロナ対応を見ていると、もうひとつ、スウェーデンの学校で普段から指導している点と重なることに気づきました。それが、どの記者会見・首相の会見でも必ず言われる「正しい情報を見極めて、情報に躍らされないようにしてください」です。
  31. 「スウェーデン流」コロナ対策をマネできない理由  (20.5.13)
    • ただ、経済的な犠牲を小さくした代償として、他の北欧諸国やドイツよりは新型コロナ死者全体数は多い。とは言え、少なくとも経済面では、こうした「賭け」は功を奏した。第1・四半期の国内総生産(GDP)は前期に比べてマイナス0.3%と、ユーロ圏経済の落ち込みの10分の1に満たない。
    • もっとも、他国がスウェーデン流のコロナ対応をまねても同じような結果にならないかもしれない。 スウェーデンは充実した福祉制度が売りだ。だから労働者は自主隔離がしやすい。金銭的な苦境に落ち込まないように保証されているからだ。社会福祉支出の規模はGDPの約25%と、経済協力開発機構(OECD)加盟国で最も高い。休職すれば賃金の大半が補償される。こうした制度は自営業者にさえも適用される。
  32. スウェーデン新型コロナ「ソフト対策」の実態。現地の日本人医師はこう例証する (20.5.7)
    • スウェーデンの死亡者数の大部分を占める高齢者、特に高齢者施設に暮らす高齢者の死亡は、施設における感染対策の失敗が直接の原因です。ロックダウンしなかったこととはあまり関係がないですね。ちなみに、日本で同様に10万人あたりの年齢別感染者を調べてみると20代から50代が最も多く感染しており、高齢者層は低めと、スウェーデンとは逆になっています。両国とも高齢者は自己隔離をしているにも関わらず大きな差があるのは、繰り返しになりますが、スウェーデンの高齢者施設でのクラスターが原因です。このように、各国毎に特殊な事情があり、PCR数など検査のアプローチや、統計の取り方にも差があります。感染者数の比較はもとより、死者数においても単純には比較はできないし、比較して結論を導き出すこともできません。
    • 具体的には、リスクグループの隔離に力を入れ、ソーシャルディスタンスを取ることも繰り返し指示しましたね。子供はクラスターにはならないという判断から、保育園や小中学校は休校にはしませんでした。共働きが基本のスウェーデンでは、休校することで、医療従事者など今必要な現場での人手が減るリスクも考慮されました。
    • ICU入室者も、どういう訳か移民のバックグラウンドがある人が多いというのが関係者共通の印象ですね。新型コロナ対策自体の失敗ではないですが、スウェーデンの移民インテグレーション政策の脆弱性がここでネガテイブに働いたのだと思います。一方で、移民であってもなくても、貴賤貧富の区別等しい医療が受けられるのは、スウェーデンの凄いところですね。
    • 高齢者はICUへ入室できないというと、スウェーデンは「楢山節考」などと揶揄されることがあります。しかし、そうではありません。高齢者にかかわらず、若年者でも、予後が悪いと分かっていれば、通常からICU入室を許されないことは往々にしてあることなのです。医療資源は限られていますから、それをいかに有効に使うか、分配するか判断することは、スウェーデンの医療現場では重要なことなのです。
    • 新型コロナ政策を比べてみると、スウェーデンと日本の大きな違いは学校が休校しているかどうかという点だけだ思います。スウェーデンは学校を閉めていませんが、少なくともそれがマイナスには作用していないようです。ただ、日本のほうが多世代同居が多いので、子供が学校からウイルスを持ち帰り祖父母に感染するという危険性はありますね。
    • スウェーデンでは病院のほとんどが公営であるのに対し、日本は大多数が私立です。また、日本では強力なリーダーシップが欠如しているため、各地方自治体や各医療機関がそれぞれ別々に知恵を絞って対応している状態です。一方でスウェーデンは、日本よりも強力な政府があり、諮問機関としての公衆衛生局、社会庁、学校庁などの専門家グループの意見を元に政策を決定しています。これらの諮問機関は、学術的エビデンスに基づいて方針を打ち出しており、他国に追従することはありません。
  33. スウェーデンに学ぶ新型コロナ対策※追記あり (20.4.30)
    • スウェーデンも若い人には治療をしているでしょう。スウェーデンの死者のうち70歳以上は87%ですが、高齢者を救命している日本では70歳以上は81%です。若い人も一定の割合で亡くなるのです。そして日本はスウェーデンと違って死にゆく高齢者を見捨てるような社会ではありません。高齢者に対しても必要な治療や介護をする体制があり、世代を分断するような仕組みになっていません。

  • 検査、迅速かつ大量に  東京慈恵会医科大学 浦島充佳教授 (2020.8.15)
    • 医療が逼迫する兆しが出てきたら病床確保のために不要不急の治療を延期することも必要になる。医療機関は第1波で診療制限などによる損失が出たところが多い。国が補償するなどして協力を呼びかけるべきだ。感染経路不明者が増加傾向のため、クラスター(感染者集団)追跡で感染を封じ込める対策は限界を超えたとみている。感染者が増えて保健所に大きな負担がかかっているとみられる。
    • 今は緊急事態宣言を出さずに、状況を注視する段階だと考える。重症者や死者が日に日に増えて医療が逼迫するようであれば緊急事態宣言を出すべきだ。問題は国と自治体の足並みが揃っていないことだ。市民の混乱や不安に繋がっていると危惧している。秋や冬には肺炎は重症化しやすく、今よりも状況は深刻になるかもしれない。国への不信感がただよい、人々の行動変容を促せない状態では感染拡大に迅速に対応できなくなる。国と自治体は連携を強め足並みを揃えてほしい。

特異な国ニッポン 2020.10.8  出典:https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/death.html