「医療関係者の為のコーディング講習会・懇親会」
                                                     (安藤@荒川医院 記)
  1. テーマ:ICDコードとDRG ←スライドを見ることが出来ます。(^_^)
  2. 講師:菊池優子さん(米国登録医療情報管理士)
  3. 日時:下記1)2)で同じ内容の講習会が開催され、前半は概論と基本ルール、後半は端末を用いのコーディング作業を実践、という企画でした。
       1) 平成14年6月29日(土)午後2〜6時
       2) 平成14年6月30日(日)正午〜午後4時
  4. 場所:「国際疾病分類学院」 江東区亀戸2-26-8風月堂ビル3F TEL:03-5858-4200
  5. 費用:講習会は無料。
  6. 幹事:川井真さん@農協共済総合研究所 E-mail : kawai-sp@ja-kyosai.or.jp、TEL.03-5212-1074                                         
●講演会の様子:
●カワズのメモ(6月30日の会場にて)
  1. ICD(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems;国際疾病分類)
    1. '60年代 Abstract Format(主・副病名+主・副処置)
    2. 72年 定型退院データセット(UHDDS;Uniform Hospital Discharge Data Set)
      (参考)'72年に採用。全てのメディケア入院患者についてのデータ収集義務化。
    3. '79年 ICD-9 疾病分類のみ。処置分類はICPM。
        米国ではICD-9-CM('79年) 疾病10,000+処置4,000分類
    4. '94年 ICD-10 '94年 疾病のみ14,000分類
  2. 米国の医療制度
    1. '60年代 Medicare/Medicaid
      (参考)HMO:Health Maintenance Organization:1940年発足し、1979年一般保険として認められ,1986年Medicaidに適用され、1990年に営利HMO(健康維持組織)として許可され, 1991年medicare加入,現在もっとも大規模なMCO(管理医療を行うためにある会社組織)。
    2. '70年代 DRG(Diagnosis Related Group) 455分類
      (参考)1983年に米国連邦政府は、医療費適正化のためにDRGを用いて、診断名グループごとの定額支払方式をメデイケアに採用
    3. '80年代 DRG/PPS(診断別定額支払い方式)
    4. '90年代 
      • MDC(Major Diagnostic Categories;主要診断カテゴリー):DRGで分類された疾患群
      • AP-DRG(All Patient DRG)
      • RDRG(Rifined DRG;HCFA−DRGの精密化した分類)
      • APR−DRG(All Patient Refined DRG)
    5. 2000年 APG/PPS 外来のDRG--主要な手術処置
  3. 米国のMedicare/Medicaid用レセプト:
     ・Hospital Fee:下段にICD、上段に各科毎の出来高明細、中段に医事課集計
     ・Doctor's Fee:中段に疾病(ICD-9-CM)+処置(CPT;米国医学会処置コード)
  4. その他の語句
    • 日本:DPC(Diagnosis Procedure Combination):主病名+処置(手術)+併存症(合併症)
    • 米国:医療統計局、Clinical Coding Specialist(CCS)、医療情報管理士(HIM)・・・AHIMA
  5. Yahoo!の検索から
●川井真さん@農協共済総合研究所からのメッセージ

厚生労働省が進める「情報化グランドデザイン」については、時代の流れもあって特段反対するところはなかったのですが、ここにきて、マスターをデータベース化して使用するにあたり、コードも自動変換を目指すので、診療録管理士のコーディング科目も今後は必要なくなるというのです。

一見すると合理的で問題もなさそうに感じるのですが、それは大きな間違いです。
レセプト記載要領が一部改訂されましたが、このレセプト診断名に基づいて、疾病分類や疾病コストの統計が行われるようになる可能性があり、それにより医療機関側からの声がさらに出しにくくなるとともに、結果として診療データの信頼性や透明性が損なわれていきます。 基本的にはレセプト診断名ですから、このデータをもとに国民に情報開示でもされたら、その誤解を解くのは容易なことではありません。
背景には当然に包括支払の影が見え隠れしていますから、取り返しのつかない過ちを犯す前に、コーディング作業の実態と疾病コスト把握の難しさを、多くの声を集めながら議論する必要があります。

間違いなく、コードに着目するからには医療費分析が行われることは明らかです。
しかし、このやり方では診療の前を揃えるどころか、アウトライヤーなデータをすべて医療機関の責任に転嫁される可能性もあります。
AMA/アメリカ医師会がHCFAに対峙する形で、CPTコードとRBRVSを用いて独自の道を歩んだのも、医療提供側と保険者との埋めきれなかった溝ではないでしょうか。

電子レセプトにより省力化やコスト削減ができることに異論はありませんが、十分な検証を行うことなく強引に審査を省略する以上、医療費のベースはさらに低く設定されることに疑いはありません。

コードの主導権争いがあるということですが、本来、コードについてはWHO加盟国としての責任を理解していれば誰のものでも構わないのですが、問題は大義名分のもとに乱用されることのほうが恐ろしいと感じます。
また、行政事業には国民の税金が研究予算として投入されるわけですから、持続的・発展的で価値あるものとしていただかなくては困ります。
これまで、すべては保険者主導で動いておりますが、現場からの声が足りません。
自らが行動しなければ、医療環境はさらに悪化していくことになります。

わたしが懸念するのは、さりげなく進められるJ-DRG(DPC)の調査研究と関連があると考えるからです。
そして、効率性のみを追求し、医療の透明性を建前に誤った情報の開示が行われたら、この国の医療制度はさらに混迷の道を辿ることになるでしょう。
この過程からは医療費抑制の方向にしか進みませんし、それがまた保険者からも国民からも評価されることになります。

いまやるべきことは、国民の望む医療体制を維持するためには、実際にどの程度の費用が必要なのかを知ることであって、減額改定がなされた診療報酬をベースにして、あといくら削れるかを探るようなことであってはならないのです。
国の政策といえども誤りがあれば正さなければなりません。

前置きが長くなってしまいましたが、お願いの内容をお伝えします。
情報提供のために、「医師のためのコーディング講習会」を無料で開催したいと思っております。
講師には、米国認定コーディングスペシャリストの菊池優子女史を当てています。
コーディングの相異でどれほど内容が変化するかをご理解いただくために、国内外のカルテも多数用意します。
コーディングにはグローバル・ルールがありますから。
一部PCをご使用いただいて解説しますので、1回の人数を15人程度にして、午前と午後に分け、数日をかければある程度の人数のかたに情報をご提供できるかと思います。
講習会については、おひとり4時間程度の予定で考えています。
まずは概略を知れば十分ですし、医師の方が興味をもてば2〜3時間で一般人の数十倍のご理解をされるでしょう。
午前と午後、また数日に分けてと申し上げましたのは、お忙しい皆様なので参加人数次第で日程調整しようと考えたものです。
できるだけ多くの方に聞いていただきたいと思います。

このような講習会に興味をもって参加していただける方はいらっしゃいますでしょうか。
一定の人数が集まるようであれば開催したいと思います。
みんなで理論武装をして、真の声を発せられるようにしておきたいと願っています。

ご参加いただけるようであれば「mkc@silver.plala.or.jp」にご連絡ください。
できるかぎり日程調整をして、多くの方にご参加いただけるようにしたいと思います。

わたしは、日本も医療先進国として診療情報においても世界に認められなければならないと考えてきました。
しかし、ICDやコーディングが財政の逼迫や医療費圧縮目的を契機に話題に上ることが寂しくてなりません。
だからこそ、さらに誤った使い方をして欲しくないのです。
ICDとコーディングは、一国の疾病構造の調査・分析・報告という学問的側面と、DRGの基礎となって医療費統計を行うためのツールという、2つの要素をもっています。
疾患ごとのコスト分析は確かに重要ですが、包括支払はあくまでも可能性を求めたひとつのモデルにしか過ぎません。
医療を「社会的共通資本」として捉えたら、疾患別の純粋な医療費、医業経営にかかるコスト、国民が望む医療体制、保険財源、税金の使い方ほか、まず考え、やらなければならないことがたくさんあるはずです。
電子レセプトも電子カルテも時代の流れからは大切なことですけれども、あくまでもシステムは人が使って価値が出ます。
システムに使われることだけは避けたいと思います。
保険のために医療を犠牲にするのではなく、医療のために保険を犠牲にするわけでもありません。
大切なことは、国民に医療環境の現実を知ってもらい、医療の本質を理解してもらうことだと思っております。
勝手なことを述べさせていただきました。
この国の未来のためにも、多くの声を集めていきたいと思います。