国民の皆さんは、どう思われますか?

  1. 健康保険法等の一部改正案について
  2. 混合診療について

健康保険法等の一部改正案について
  (櫻井秀也日医常任理事の健保法等改正案に「断固反対」する旨の意見陳述から)
  1. 日本の医療保険制度は、
    1. 世界に冠たる優れた医療保険制度である。
      • 今までの日本の医療保険制度は、対GDP比7.1%程度という国際的に見て極めて安い費用で(参照1)、世界一の高寿命や世界一低い乳幼児死亡率等の素晴らしい成果を上げている。従って、医療保険制度の改革は、今までの長所を延ばし、尚一層、発展させる方向で進めるべきである。
    2. 保険料、公費、患者負担、の3つの財源によって運営されている。
      • 国民全員が保険料を払い、健康を害した時には安心して医療の提供を受けられる国民皆保険制度であり、社会保障の役割を果たしている。従って、その財源が不足した場合には、
        1. 先ず、保険料のアップによって対処すべき。
        2. 次には、公費負担のアップを考えるべき。
            
  2. 健康保険法等の一部改正案の誤りは、
    1. 折角の優れた制度を破壊するものであること。
    2. 財源不足を患者負担によって補おうとしていること。
      • 患者負担を受益者負担という意見があるが、元気な時に保険料を払い、健康を害した時に医療保険による給付を受ける患者さんは、決して受益者ではなく、むしろ受難者である。受難者に負担を強いるのはオカシイ。
          
  3. 誤っているポイントは、
    1. 高齢者の入院外自己負担定率および高額医療費化(還付方式化)と上限額の引き上げ(老人保健法の一部改正)
      • 入院外、特に在宅医療における高齢者の負担は極めて重い負担になり、高齢者が安心して医療の提供を受けられなくなる可能性がある。
      • 還付申請方式は高齢者にとって非常に煩雑で、申請のし忘れなど、確実かつ適正な運用は期待できない。
    2. 被用者保険本人の3割負担の導入(健康保険法の一部改正)
      • 保険料負担の軽度の増加により被用者保険本人の患者負担3割導入は回避が可能。
          
  4. よく耳にする俗説は、
    1. 「日本の高齢者の一部は、或る程度金銭的余裕があるから、負担を増しても大丈夫」
      • なぜ俗説かと言えば、
          例え余裕があるにしても、健康を害した時に重い負担を掛ける制度を導入すれば、余裕のある高齢者も、その時に備える為に平生の経済活動を抑えてしまう。健康を害した時には安心して医療を受けられる制度にすれば、余裕のある高齢者の経済活動は活発になり、日本の経済の建て直しにもプラスに働く。いたずらに「健康を害した時には重い負担を掛けるぞ」というやり方は、日本の経済の低迷に更に拍車を掛ける
    2. 「被用者保険本人の患者負担3割が、被用者保険家族や国民保険の加入者の患者負担との比較で公平である」
      • なぜ俗説かと言えば、
         日本の医療保険制度における負担の公平は、保険料の負担と患者負担の両者を合算して考えるべきものである。被用者保険家族は、実質的に保険料の負担をしていない。従って、被用者保険本人より高率の3割の患者負担をすることが公平であり、今までそのような制度として運用されてきた。また、国民保険は、保険料負担分が少なく、国民保険の財源にはほぼ50%の公費が注入されており、保険料負担の少ない分を3割の患者負担として補うことが公平であるという考えで運用されてきた。被用者保険本人の患者負担3割導入は、このような日本の医療保険制度の負担の公平の考え方を根底から覆すものである。
          従って、「はじめに3割負担ありき」ではなく、保険料負担も含めて根本的な負担のあり方を考えなくてはならない。
          
  5. これからの為に、
    • 現在、日本の経済状態は低迷し、それ故に今回のような患者負担の増加によって医療費財源を確保しようとする法案が出されている。しかし、現在の日本経済の苦境は、経済界自体の失態によるものであって、その原因は医療分野によるものではない。にもかかわらず、その解決策を医療分野特に患者負担に求める考え方は、納得がいかない。
    • むしろ、国民に安心と安全を保証する社会保障制度の充実こそが、日本経済の立て直しの為には必要である

参考:日本医師会ホームページ http://www.med.or.jp/

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